ドラッグストアアルバイト特集

登録販売者の管理者はパートでもなれる?要件や業務内容を解説



登録販売者の資格を取得して実務経験を積むと、管理者も目指せます。パートの登録販売者として働く場合、管理者になれるか疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。この記事では、登録販売者の管理者の概要に触れたうえで、パートでも管理者になれるのか解説します。管理者になるメリット・デメリットも解説するため、ぜひ参考にしてください。



1 登録販売者の管理者とは

登録販売者の管理者とは、どのような仕事なのでしょうか。ここでは、登録販売者と管理者についてそれぞれ解説します。


1-1. 登録販売者

登録販売者とは、一般用医薬品を販売するための資格です。薬剤師だけしか販売できない第一類医薬品を除き、第二類医薬品と第三類医薬品を扱えます。そのため、薬局、ドラッグストア、コンビニなど、医薬品を扱うさまざまな店舗で需要があるのが特徴です。

1-2. 管理者

管理者になるためには、まず登録販売者の試験に合格し、その後に管理者としての要件を満たさなければなりません。管理者要件で定められている年数の実務経験を積むと、店舗で正規の登録販売者として勤務が可能です。実務経験が要件に満たないうちは、登録販売者の研修生となり、医薬品の販売に関しても制限があります。

2 登録販売者の店舗管理者・区域管理者

登録販売者の管理者には、店舗管理者と区域管理者の2種類があります。店舗管理者は、ドラッグストアや薬局などの店舗の責任者です。一方、区域管理者は、配置販売業の責任者です。配置販売業では、常備薬のセットを企業のオフィスや個人の自宅に配置し、定期的に薬の補充と集金を行います。いずれも一般医薬品を販売する責任者として、業務に取り組みます。

3 登録販売者が管理者になるための要件

パートが登録販売者として働くためには、以下で解説する管理者要件を満たす必要があります。


3-1. 管理者要件の実務経験を満たす

管理者要件として定められている実務経験は、以下の通りです。以下のいずれかを満たすことで、管理者になれます。


  • 過去5年間で通算2年以上(1,920時間以上)の実務経験がある
  • 過去5年間で通算1年以上(1,920時間以上)の実務経験があり、継続研修・追加的研修を修了している
  • 通算1年以上の実務経験があり、管理者業務に従事した経験がある
3-2. 管理者要件における実務の定義

管理者要件として定められている実務経験の定義は、以下のとおりです。


  • 薬剤師または登録販売者の管理・指導のもとで実務に従事した経験
  • 登録販売者の研修生として、薬剤師または登録販売者の管理・指導のもとで実務に従事した経験
  • 登録販売者として実務に従事した経験

管理者要件で定められている期間の条件を満たしていれば、たとえブランクがあっても実務経験として認められます。

4 2023年・管理者要件の改正

登録販売者の管理者要件は、2023年に改正されています。ここでは、改正の内容について解説します。


4-1. 2023年4月の要件改正

2023年4月1日、管理者要件の改正が行われました。管理者要件を満たすための実務経験について、従来の2年以上から1年以上に引き下げられ、追加的研修の修了が条件に加えられました。必要な実務経験の年数が短くなったため、管理者要件を満たす登録販売者が多くなっています。

4-2. 追加的研修とは

過去5年間における通算1年以上の実務経験があれば、追加的研修を受講して管理者になれます。追加的研修では、一般医薬品の販売に関する法規やコンプライアンスなどの基礎知識とともに、店舗での医薬品の販売におけるコミュニケーションについて学びます。

ケーススタディを通し、現場で役立つスキルを身につけることが可能です。研修の形式は、対面とオンラインのいずれかで行われます。

4-3. 継続的研修とは

継続的研修は、2023年の管理者要件の改正前から実施されている研修です。厚生労働省のガイドラインでは、年2回、計12時間の継続的研修が必要とされています。一般医薬品を取り巻く環境は日々変化しており、登録販売者は定期的に知識をアップデートする必要があるからです。継続的研修を受けて受講者証明テストに合格すると、修了証明書を受け取れます。

5 パートでも登録販売者の管理者になることは可能?

パートでも、登録販売者の管理者になることは可能です。管理者要件を満たすための実務経験は、雇用形態を問いません。そのため、登録販売者の資格を取得していずれかの雇用形態で実務経験を積めば、管理者になるための要件を満たせます。

6 登録販売者の管理者の業務範囲

登録販売者の管理者は、どのような業務に対応するのでしょうか。ここでは、具体的な業務範囲について解説します。


6-1. 医薬品の販売業務

登録販売者の管理者は、第二類医薬品と第三類医薬品を販売できます。一般用医薬品のうち、多くが第二類医薬品または第三類医薬品です。そのため、登録販売者の管理者になれば、薬剤師が不在でも、ほとんどの一般用医薬品の販売やカウンセリングに対応できます。

6-2. 店舗の運営業務

登録販売者の管理者になると、一般医薬品の販売だけでなく店舗の運営にも関与できます。たとえば、従業員のシフト作成、店舗の売上の確認、在庫の管理などを任される可能性があります。また、経験を積むことで、従業員の指導や育成などを担当する場面も増えるでしょう。

7 パートで登録販売者の管理者になるメリット

パートで登録販売者の管理者になると、さまざまなメリットを期待できます。以下で、詳しく解説します。


7-1. 仕事のやりがいが増える

登録販売者の管理者になれば、対応できる業務の範囲が登録販売者の研修生より広がります。そのため、仕事のやりがいも増えるでしょう。業務に対する責任も大きくなるものの、その分だけ仕事を通して得られる達成感も、大きくなります。そのため、登録販売者として仕事を頑張りたいなら、管理者を目指すべきです。

7-2. 給与アップが期待できる

登録販売者の管理者になると対応できる業務内容が増え、店舗に対する貢献度が高まります。そのため、給与アップにも期待することが可能です。また、管理者に対して特別な手当を用意している店舗も少なくありません。さらに、売上アップにつながる働きぶりが評価され、ボーナスを得られる可能性もあります。

7-3. キャリアアップが見込める

登録販売者の研修生から管理者になれば、さまざまな経験ができ、スキルアップはもちろんキャリアアップも可能です。業務に対する責任が大きくなる分、仕事を通してより幅広い知識や情報を得られるでしょう。また、責任ある立場として認められるため、社会的な信頼性も向上します。

7-4. 転職で有利になる

登録販売者の資格の需要は高く、特に管理者であれば転職で有利です。一般医薬品を販売するには、店舗に登録販売者の管理者を配置する義務があります。一般医薬品を扱う店舗は増えており、近年では管理者を採用したいと考える店舗も少なくありません。管理者はさまざまな求人に応募しやすく、自分の希望に合う職場を複数の選択肢から選ぶことが可能です。

8 パートで登録販売者の管理者になるデメリット

登録販売者の管理者になると、パートであっても毎年研修を受ける必要があります。さらに、2023年に行われた管理者要件の改正により、管理者になるために必要な実務経験の年数が短くなりました。そのため、ライバルも増えている状況です。また、管理者要件としての実務経験の年数が短いことが要因となって、管理者になっても経験不足を感じる人もいるでしょう。

9 登録販売者が管理者になるための手続き

登録販売者が管理者になるには、管理者要件を満たしたうえで「実務(業務)従事証明書」を都道府県へ提出する必要があります。管理者要件を満たしたら、書類の交付を勤務先へ依頼しましょう。

なお、管理者要件に該当する実務経験を積んだ企業が複数ある場合、それぞれに書類の交付を依頼しなければなりません。実務経験を積んだすべての企業を洗い出し、書類をもれなく集めましょう。

10 まとめ

薬剤師の資格は、幅広い仕事で活かせます。活躍できる職種や業界は多種多様であり、自分の希望に合わせた働き方を実現することも可能です。また、薬剤師は専門性が高くてニーズもあるため、たとえ一度辞めても復職が比較的容易です。資格を活かし、さまざまな可能性にチャレンジしましょう。

シフトワークスは、時間やシフトなどの希望に合う仕事を探せるサービスです。薬剤師の資格を活かせるさまざまなパートやアルバイトの求人を扱っています。効率的な仕事探しを実現するために、ぜひご利用ください。

会員登録はこちら