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医療事務の仕事内容とは?1日のスケジュールやメリットを解説



医療事務とは、医療機関の事務を担当する職種です。この記事では、医療事務の仕事に興味がある人に向けて、医療事務の仕事とは何なのか、具体的に仕事内容、医療事務の仕事の1日のスケジュール、メリット・デメリットなどを解説します。さらに、医療事務の仕事に近い調剤薬局事務についても解説するため、役立ててください。



1 医療事務の仕事とは

医療事務の仕事とは、病院やクリニックなどの医療機関における事務職です。具体的には、病院内の受付や会計といった対応、レセプト作成などを担当します。医療事務は、景気に左右されにくい仕事です。医療分野は、景気の良し悪しに限らずニーズが高いため、安定した求人があり仕事を探しやすいでしょう。

医療事務は、勤務形態も豊富です。正社員はもちろんのこと、パートやアルバイトなどと幅広いため、自分の都合に合わせた働き方が選びやすくなっています。


1-1. 医療事務の仕事における年収の目安

医療事務の年収は、勤務地域や職場によって幅があるため、一概にはいえません。一般的には、250万円~350万円程度が年収の目安とされています。ただし、正社員なのかパートやアルバイトなのか、勤務年数や実務経験などによっても異なるでしょう。

基本的には、勤務年数や実務経験が多ければ、その分年収も高くなる傾向です。また、正社員であればボーナスや手当などがプラスされ、大病院や大学病院などの規模の大きな病院の方が給与は高くなる傾向にあるなど、条件によって年収は変動します。

2 医療事務の主な仕事内容

医療事務は、実際にどのような業務を行っているのでしょうか。ここでは、医療事務の主な仕事内容を解説します。


2-1. 受付業務

医療事務のメインとなる業務が、受付業務です。医療事務といえば受付という、イメージを持っている人もいるのではないでしょうか。受付業務では、病院やクリニックに来院した人の対応を行います。たとえば、初めて受診される人に診察券を発行したり問診票の書類を渡して書いてもらったりします。保険証の提示を求めて確認することも、受付業務の一環です。

提示された保険証や問診票などをもとに、カルテを作成することも医療事務の仕事に含まれています。病名や症状などの記入は医師の仕事ですが、氏名や住所などの基本情報は医療事務が入力します。

2-2. 会計業務

会計業務も、医療事務の主な仕事の1つです。会計業務とは、診療が終了した患者から診療費用を受け取る業務になります。会計の際にはカルテで診療内容を確認して、診療報酬点数表と照らし合わせたうえで請求金額を計算します。また、診療計算のために患者が加入している医療保険の確認も必要です。

基本的に医療費は全額ではなく、一部を患者が負担することになるため、患者が負担する医療費を計算して請求することになります。

2-3. レセプト業務

レセプトとは、診療報酬明細書のことです。前述したように、医療費は全額を患者が負担するのではなく一部を患者が負担し、残りは患者が加入している健康保険の組合などが支払う仕組みになっています。そのため、医療機関は残りの医療費を保険者に請求しなければいけません。

医療費の請求の際に提出しなければいけない書類が、レセプトです。診療報酬点数を算出して作成します。パソコンでレセプトを作成するため、ある程度のパソコンスキルが必要です。医療機関を経営するために必要な資金を確保するためにも、レセプト業務は非常に重要な業務になります。資金確保のために、正確なレセプトの作成が不可欠です。

2-4. クラーク業務

クラーク業務とは、患者と医療スタッフをつなぐ業務のことです。基本的に、大規模な病院の場合、クラーク業務を担当するケースが多く見られます。

クラーク業務は、外来クラークと病棟クラークの2つに分けられます。外来クラークとは、受付業務から電話対応、カルテの整理やレントゲンの準備、検査データの準備など、一般的な事務作業のことです。

一方、病棟クラークとは、入退院に関する事務作業が主です。たとえば、入退院に関する手続きや手術や検査スケジュールの管理、食事伝票の管理などが挙げられます。病棟クラークを担当する際には、ナースステーションに滞在することが多くなるでしょう。

3 医療事務の仕事の主なスケジュール

医療事務の仕事は、一体どのようなスケジュールで行われるのでしょうか。ここでは、医療事務の1日のスケジュールを解説します。


3-1. 開院準備

開院準備として、着替えやレジの現金を準備したり、予約状況の確認やカルテの準備などをしたりします。また、医療機関では清潔さも重要なポイントとなるため、クリニックなどの小規模な医療機関では、清掃を担当するケースもあるようです。

3-2. 午前診療

午前診療では、受付や会計業務などを行います。診察券や保険証の確認、初めての来院者に診察券を発行したりカルテを作成したりするなど多くの業務を行います。午前診療では予約が多いため、患者が多いことも特徴です。

3-3. 昼休み

午前診療が終わったら、昼休みに入ります。午後にも診療があるため、午後に備えて休息や昼食などを取ります。必要であれば午後診療の準備なども行いますが、基本的にはしっかりと休息を取ることが重要です。

3-4. 午後診療

午後診療の業務内容としては、午前診療と同様です。受付や会計業務などを行いながら、患者への対応をします。また、空いている時間を利用して翌日の準備をしたり、院外検査の依頼や物品の注文、補充したりなどの業務も行います。

3-5. 診療終了後作業

診療時間が終了したらレジを締めます。翌日の確認や準備、院内の清掃などを行い、医療機関によってはミーティングなども行います。また、レセプト業務がある場合には、残業が発生する可能性もあるでしょう。

4 医療事務の3つのメリット

医療事務は求人を見つけやすく、働き方を選びやすい職種です。ここでは、医療事務の主なメリットを解説します。


4-1. 勤務先を見つけやすい

医療事務の大きなメリットとして、勤務先を見つけやすいことが挙げられます。病院やクリニックは全国にあり、景気などに関わらずニーズがある職種です。そのため、医療事務の求人も多くあります。パートナーなどの転勤によって転居することになっても、次の勤務先を見つけやすいため、期間を空けずに次の仕事が見つけられます。

4-2. 自分のライフスタイルに合わせて働ける

医療事務は、さまざまな勤務形態の求人があります。たとえば、正社員だけでなく、契約社員や派遣社員、アルバイトやパートなど、自分のライフスタイルに合わせて勤務形態を選ぶことが可能です。結婚や出産などで退職したとしても、アルバイトやパートなどの勤務形態に変えて復帰しやすいという点もメリットでしょう。

4-3. やりがいがある

医療事務は、やりがいをもって働けることもメリットの1つです。医療事務は医療関係者の一員として働くため、社会的意義の大きな仕事であり、やりがいを感じやすいでしょう。また、働きながら生活に役立つ知識を身につけられることもメリットになります。他の業種では身につかない、医療関係の知識も得られます。

5 医療事務の2つのデメリット

医療事務はメリットの多い仕事ですが、デメリットもあります。ここでは、2つのデメリットを解説します。


5-1. 覚えることが多い

医療事務は、業務内容が幅広く覚えることが多い職種です。受付や会計業務以外にも、カルテの作成や管理、レセプト業務、患者への対応など多くの業務をこなさなければいけません。また、診療報酬は2年ごとに改訂されるため対応が必要です。

5-2. 患者への気遣いが求められる

医療事務は、患者と接することが多いため患者への気遣いが求められます。患者は体の不調で来院しているため、不安を抱えています。そのため、些細なことでも気にしてしまい、クレームになるケースもあるようです。患者への思いやりや温かい対応が求められるため、神経を使う仕事でもあります。

6 医療事務の仕事は資格必須ではない

医療事務は、医師や看護師とは異なり、資格が必ずしも必要な職種ではありません。資格がなくても医療事務として働くことはできますが、資格を取得しておいたほうが有利に働くこともあります。


6-1. 資格があると就職・転職時にスキルの証明に役立つ

資格は必須ではありませんが、資格を取得しているとスキルの証明になります。客観的に医療事務としてスキルを示せるため、就職や転職で有利になります。また、資格手当などで収入アップにつながる可能性もあるでしょう。医療事務には、「診療報酬請求事務能力検定」や「医療事務技能審査検定」などの民間資格が多くあるため、取得しておくのもよいでしょう。

7 医療事務の仕事に必要なスキル

医療事務の仕事に必要なスキルとしては、コミュニケーション・接遇・パソコンの3つが挙げられます。ここでは各スキルについて解説します。


7-1. コミュニケーションスキル

医療事務は、来院する患者に対応する窓口のような役割を果たすためコミュニケーションスキルが必要です。また、一緒に働くスタッフともスムーズにやり取りする必要があるため、コミュニケーションスキルがあったほうが働きやすくなります。

7-2. 接遇スキル

接遇とは、相手に対して思いやりを持ってもてなすことを指します。医療事務は、患者の不安や悩みなどに寄り添った対応が求められるため、接遇スキルがあるとよいでしょう。挨拶や身だしなみ、表情、話し方、態度などに気を付ける必要があります。

7-3. パソコンスキル

医療事務は、カルテ作成やレセプト業務などを行います。IT化が進んでいるため、これらの業務をパソコンで行うケースが多くパソコンスキルは必須です。ExcelやWord、PowerPointなどの基本的なスキルがあるとよいでしょう。

8 医療事務の仕事に向いている人

医療事務の仕事に向いているのは、一体どのような人なのでしょうか。ここでは、医療事務に向いている人の特徴を解説します。


8-1. 計算が得意な人

医療事務は、レセプト業務で診療報酬点数などを計算するため、数字を扱うことが多いです。扱うデータの量も多いため、数字や計算などに苦手意識があると辛いと感じるケースもあるでしょう。

8-2. 明るく接することができる人

明るい対応ができる人も、医療事務に向いています。患者だけでなく、一緒に働くスタッフとのチームワークも重要です。明るい笑顔でハキハキとした受け答えをするなど、好印象を与えられる人は医療事務に向いています。

8-3. 几帳面な人

医療事務では、個人情報などのデータを多く取り扱います。患者の個人情報から病気などの情報といった重要な情報を扱うため、几帳面な人は向いています。整理整頓を心がけながら丁寧な仕事をすることが重要です。

9 調剤薬局事務の主な仕事内容

医療事務に近い仕事として、調剤薬局事務が挙げられます。医療事務は医療機関で働きますが、調剤薬局事務はその名のとおり調剤薬局で働く職種です。ここからは、調剤薬局事務の仕事内容を紹介します。


9-1. 受付・業務

調剤薬局事務の主な仕事内容の1つは、受付業務です。来院した患者から処方せんや保険証、お薬手帳を預かって確認します。保険証の情報や処方せんの有効期限に問題がないかをチェックする、初めての患者には病歴やアレルギーの確認、ジェネリック医薬品を利用するかなどの確認も行わなければなりません。

また、受付業務には電話対応も含まれます。薬局には電話での問い合わせなどもあるため、適切な対応が必要です。

9-2. 会計業務

会計業務も調剤薬局事務の仕事です。患者負担の医療費を会計する業務であり、原則としては3割負担となります。調剤にかかった費用を計算して、その一部を患者から受け取って精算します。また、店頭で健康食品やサプリメントなどを販売しているケースもあるでしょう。その場合には、レジ業務だけでなく接客を担当することもあります。

9-3. レセプト業務

レセプト作成のために、レセプトコンピューターへ処方せんの内容を入力します。同じ薬であってもさまざまな規格があるため、正確に入力が求められる業務です。ただし、現在では処方せんのバーコードを読み取るだけで、自動で入力される場合もあります。最終確認は必要ですが、バーコード読み取りの場合は効率的に作業できるでしょう。

レセプト作成には保険や調剤報酬といった専門知識が必要となり、正確な入力が求められる重要な業務です。

9-4. 薬剤師のサポート業務

薬剤師のサポートも、調剤薬局事務の業務の1つです。薬剤師の指示を受けて必要な薬を棚から出してそろえる、一包化された薬剤の数量をチェックする、薬の配達などをする場合もあります。

ただし、薬の調剤や服薬指導、調剤鑑査などは薬剤師の資格を持つ人しかできません。そのため、薬剤師の資格を持っていない調剤薬局事務が行うことは、あくまでもサポートのみです。調剤などを無資格者が行うと薬剤師法違反となるため注意しましょう。

9-5. 医薬品の在庫管理・発注業務

薬の在庫を確認して、使用した分を医薬品の卸売業者に発注するといった在庫管理・発注業務も調剤薬局事務の仕事です。発注した医薬品が届いたら、検品して入庫を行います。在庫管理や発注業務の頻度が少なく対応することは稀ですが、発注状況によっては1日に何度も納品や点検などの作業を行うこともあるでしょう。

10 まとめ

医療事務とは、病院やクリニックなどの医療機関で事務を担当する職種です。受付や会計、レセプト業務など多くの業務に携わります。医療事務はニーズの高い仕事のため求人が多く、自分に合った勤務形態で働きやすいです。医療事務関係の民間資格は数多くあるため、医療事務として活躍したい場合は取得しておくのもよいでしょう。

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