そもそも登録販売者とは、どのような仕事なのでしょうか。ここでは、登録販売者の概要について解説します。

登録販売者は、一般用医薬品を販売するための専門的な資格です。扱える医薬品の種類は、第二類医薬品と第三類医薬品です。主にドラッグストアや薬局などに勤務し、顧客の相談に乗りながら医薬品を販売します。薬剤師の不足が問題になっているため、それを補う人材である登録販売者のニーズが高まっています。

登録販売者の主な業務は、一般用医薬品の販売です。医薬品を求める顧客にヒアリングし、症状に合う医薬品を紹介する場合もあります。すでに触れたとおり、登録販売者が扱える医薬品は、第二類医薬品と第三類医薬品のみです。第一類医薬品は薬剤師だけしか販売できません。

また、登録販売者は、店舗のスタッフとして接客、品出し、会計、在庫管理などの業務に対応する可能性もあります。

登録販売者の仕事は、なぜきついといわれているのでしょうか。ここでは、その理由について解説します。

登録販売者は医薬品の販売だけでなく、品出しや在庫管理などにも対応する必要があります。重量のある商品を移動させる場面もあり、日々の業務をこなすには体力が必要です。体を動かす作業が多いため、体力的にきついと感じる人もいます。

ドラッグストアやコンビニエンスストアなどでも、多くの登録販売者が必要とされています。ただし、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどは営業時間が長く、年中無休で営業している店舗も少なくありません。そのため、勤務時間が長い傾向があり、休暇がとりにくい職場もあります。

さらに、登録販売者は定期的な研修の受講が必須であり、勤務以外にも仕事のために時間を割く場面が多い仕事です。拘束時間が長いと、プライベートの時間を十分に確保しにくく、仕事がきついと感じる人もいます。

職場によっては、登録販売者に医薬品の販売ノルマを設けているところもあります。具体的なノルマが設定されていなくても、上司から売上アップのプレッシャーをかけられる場合もあるでしょう。特に、達成が困難なノルマであれば負担が大きく、登録販売者の仕事がきついと感じる原因になります。

登録販売者は、医薬品について明確で分かりやすい説明をする必要があります。専門的な知識がない顧客に医薬品の説明をするには、難しい内容を噛み砕いて話さなければなりません。相手に合わせて情報を正確に伝えるには、説明のスキルも必要です。

また、医薬品を取り巻く環境は日々変化しているため、適切な説明をするには知識を常にアップデートし続ける必要があります。

医薬品は健康や命にも関わるため、登録販売者は責任が大きい仕事です。説明に誤りがあれば、クレームが来たり、顧客の健康上の問題が生じたりする恐れがあります。登録販売者が働くうえでは、ミスやトラブルに対して常に細心の注意を払う必要があるため、きついと感じる人もいます。

登録販売者の仕事を辞めたいと思う場合、原因はさまざまです。ここでは、具体的な要因について解説します。

登録販売者として勤務するには、実務経験も必要です。そのため、登録販売者の試験に合格した直後は、業務で資格を活かせない場合もあります。

また、登録販売者として勤務していても、医薬品の販売以外の業務に対応する場面もあるでしょう。医薬品の知識が必要ないレジ打ち、品出し、バックヤード業務、雑務などにやりがいを感じられず、なかには退職を考える人もいます。

登録販売者のなかには、ドラッグストアやスーパーの医薬品コーナーなどで勤務する人もいます。その場合、キャリアの最終ステップは店長です。店長以上のキャリアアップを望めないため、自分の将来を見据えて転職を考えるケースも少なくありません。ただし、大手企業では、本部へ移動することで幅広いキャリアプランを目指せる可能性もあります。

登録販売者に限らず、職場の人間関係の問題を理由に退職を検討する人は少なくありません。たとえば、大規模な店舗にはさまざまな性格の同僚がおり、なかには自分に合わない人がいて働きにくいと感じるケースもあるでしょう。

また、小規模な店舗では、同僚同士の人間関係が密になりやすい特徴があります。自分に合わない人がいる場合、常に一緒に働かなければならないため、ストレスを感じるでしょう。

登録販売者の仕事はきつといわれる反面、大きなやりがいもあります。ここでは、登録販売者の仕事のやりがいを具体的に解説します。

登録販売者は、困っている人の役に立てる仕事です。専門的な知識を活かしてサポートするため、感謝される場面も多くあります。医薬品を扱うには大きな責任を負う必要がありますが、その分、仕事を通じて大きな達成感を得られます。仕事で人の役に立ったり、困っている人を助けたりしたいという思いがある人には、登録販売者の仕事がおすすめです。

登録販売者は専門職であり、需要も高い仕事です。登録販売者として働くには資格が必要で、一般的な接客と比較すると給与が高い傾向があります。また、資格の取得や研修の受講などにおいて、勤務先からサポートを受けられる可能性が高いです。勤務先によっては、登録販売者の有資格者に対して資格手当を加算している場合もあります。

医薬品の市場は拡大傾向にあるため、登録販売者に対する需要は今後も増えていくと考えられます。また、一般用医薬品を販売する店舗は増加傾向にあり、登録販売者が活躍できる場所も増えているのが現状です。登録販売者は将来性があるため、長く働き続けたい人に向いています。

登録販売者の仕事がきついと感じるときは、どうすればよいのでしょうか。ここでは、具体的な解決策について解説します。

仕事がきついと感じるなら、まずは職場の上司や同僚に相談してみましょう。たとえば、仕事がきつい原因が働き方やクレームに関する悩みであれば、周囲に助けてもらえる可能性があります。また、知識やスキルの不足により仕事の負担が大きい場合も、相談するとサポートを受けられるでしょう。

職場に原因があって仕事がきついと感じている場合は、転職も選択肢の1つです。登録販売者の仕事そのものが合っていても、職場の環境や雰囲気が合わなければ、きついと感じる可能性があるでしょう。登録販売者の資格や経験は貴重であり、高いニーズがあります。それらを活かせる職場を探し、自分らしく働きましょう。

登録販売者が転職する際は、意識したいことがあります。ここでは、転職を検討するにあたって押さえるべきポイントを解説します。

医薬品を販売している売り場には、さまざまな形態があります。たとえば、登録販売者の勤務先として一般的なドラッグストアは業務範囲が広く、接客する機会も多くなりがちです。一方、店舗の一角にある医薬品コーナーは売り場面積が小さいため、肉体労働も少ない傾向があります。

転職で希望に合う働き方を実現するには、売り場ごとの特性を把握したうえで選択することが大切です。

医薬品の販売以外の仕事でも、登録販売者としての知識や経験を活かせる仕事はあります。たとえば、製薬会社の営業職、オンライン医薬品販売のオペレーター、介護業界、美容業界などです。登録販売者を辞めて別の職種に就きたい場合も、登録販売者としての知識や経験が役立つ業界を選べば、転職で有利になります。

登録販売者は体力を使う場面も多く、拘束時間も長い傾向があります。しかし、医薬品の知識を活かして人の役に立てるため、やりがいがある仕事です。きついと感じる場合、職種ではなく職場に問題がある可能性も考えられます。

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