正社員のダブルワークは可能?NGのケースや理由、注意点を解説
- 正社員として働いており、ダブルワークを検討している人は少なくないでしょう。しかし、正社員がダブルワークをしても問題ないのか、不安に感じている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、正社員でもダブルワークは可能なのか解説します。ダブルワークが認められないケースとその理由とともに、ダブルワークのメリットや注意点なども解説するため、ぜひ参考にしてください。
- 正社員として働いていても、ダブルワークはできるのでしょうか。以下で、詳しく解説します。
- 法律上、正社員のダブルワークは問題ない
基本的に、正社員がダブルワークをしても問題ありません。正社員の副業を禁止する法律は、特に定められていないためです。平成29年に「働き方改革実行計画」が公表されて以来、副業や兼業を推進する風潮が強まっています。ただし、公務員のダブルワークは原則として認められていないため、注意が必要です。
- 会社によっては就業規則で禁止しているケースもある
法律上、正社員のダブルワークは問題ないものの、会社によっては就業規則で、正社員のダブルワークを禁止しているところもあります。勤め先が禁止しているにもかかわらず無断でダブルワークに取り組めば、トラブルになる恐れがあります。ダブルワークに興味があるなら、必ず事前に就業規則を確認しましょう。
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- それでは、一体なぜ正社員のダブルワークを禁止する会社があるのでしょうか。ここでは、正社員のダブルワークを会社が禁止する理由について解説します。
- 本業に影響するため
正社員のダブルワークを禁止している会社は、疲労の蓄積により本業に集中できなくなることを懸念している場合が多いです。ダブルワークで本業以外の仕事に取り組むと、肉体的・精神的に疲労する恐れがあります。そのため、会社は、勤務以外の時間を疲労回復に当ててほしいと考えています。
- 情報漏えいにつながる恐れがあるため
会社が正社員のダブルワークを禁止している場合、本業で知り得た知識や情報がダブルワークにおいて、流出するリスクを懸念している可能性もあります。特に技術を扱う同業他社でのダブルワークは、情報漏えいのリスクが高いと判断されがちです。
- 会社の社会的信用にかかわるため
正社員のダブルワークは、会社の社会的信用を損ねる恐れがあると、考えている会社もあります。たとえば、正社員がダブルワークとして取り組む仕事が、マルチ商法に近い内容であれば、会社の印象を落とす原因になりかねないでしょう。
- 正社員がダブルワークをすると、さまざまなメリットを期待できます。以下では、具体的にどのようなメリットがあるか解説します。
- メリット1.収入がアップする
ダブルワークにより、本業の他にも仕事をすれば収入源が複数になり、収入アップにつながります。また、複数の仕事をしていれば、たとえ正社員として働いている会社が倒産しても、急に収入が途絶える心配はありません。
- メリット2.人脈が広がる
ダブルワークで別の本業とは異なる業務に携われば、本業ではなかなか出会えない相手と交流する機会をもてます。その結果、人脈の広がりを期待できます。新しい人脈から刺激を受け、本業のやる気がアップする可能性もあるでしょう。また、場合によっては、ダブルワークで得た人脈も本業に活かせます。
- メリット3.スキルを獲得できる
ダブルワークで新しい仕事に取り組むと、スキルも高められます。もともともっているスキルを磨くチャンスが増えたり、これまでとは異なるスキルを獲得できたりする可能性があります。スキルアップを重視してダブルワークをするなら、身につけたいスキルをもとに、職種や仕事内容を選びましょう。
- メリット4.適性を理解できる
ダブルワークなら、正社員でも気軽にさまざまな仕事を経験可能です。新しい仕事に挑戦して実際にやってみると、自分の適性を把握するために役立ちます。ダブルワークの仕事がきっかけとなり、新しいキャリアにつながる可能性も期待できるでしょう。また、あえて本業とまったく異なる仕事にチャレンジした結果、改めて本業の魅力に気付くパターンも考えられます。
- メリット5.ストレス解消につながる
本業と異なる仕事に取り組むと気分転換になり、本業で溜まったストレスを解消できるケースもあります。特に好きなことを活かし、趣味の延長でダブルワークに取り組めば、楽しみながら仕事ができるでしょう。好きなことや興味・関心のあることに関連する仕事なら、始めやすくスムーズに働けます。
- メリット6.起業の準備になる
将来、起業を考えているなら、準備の一環としてダブルワークに取り組む方法があります。本業を続けながら起業の準備をすれば、失敗によるリスクを軽減できます。なお、もともと起業するつもりがなくても、想定以上にダブルワークが成功した結果、起業に至るケースも珍しくありません。
- 正社員がダブルワークをすれば、デメリットも生じます。具体的にどのようなデメリットがあるか解説します。
- デメリット1.肉体的・精神的な負担になる
選ぶ仕事にもよりますが、正社員以外で取り組む仕事は総労働時間を管理されないため、心身の負担が大きくなる可能性があります。ダブルワークに取り組むなら、仕事内容、労働時間、体調などを自己管理する必要があります。
- デメリット2.本業に影響する恐れがある
すでに触れたとおり、ダブルワークは肉体的・精神的な負担が大きいです。心身の疲労が溜まった結果、本業に集中できなくなる恐れもあります。本業で単純なミスが増える可能性も否定できないため、無理なダブルワークは禁物です。
- デメリット3.プライベートな時間が少なくなる
正社員がダブルワークをすると、本業の他にも働く時間を確保する必要があり、その分だけプライベートな時間が少なくなります。趣味や遊びの時間を削った結果、リフレッシュするタイミングがなくなり、気づかないうちにストレスが溜まる恐れあります。
- デメリット4.スケジュール管理が難しい
ダブルワークに取り組む場合、仕事のスケジュールの管理に悩む可能性があります。たとえば、本業で突発的な残業が発生すれば、スケジュールを調整してダブルワークに取り組む時間を、捻出しなければなりません。
- 正社員がダブルワークをする場合、どのように働けばよいのでしょうか。ここでは、おすすめの働き方を解説します。
- 単発の仕事を受ける
スケジュールを管理しやすくするには、単発の仕事が向いています。単発の仕事なら、空いている時間に合わせて働きやすいです。未経験でも働ける場合が多いため、ダブルワークの初心者でも気軽に挑戦できます。
- 週末に働ける仕事を選ぶ
本業の休日が週末なら、週末に働ける仕事を選ぶ方法もおすすめです。本業が忙しくても、休日ならダブルワークの仕事の時間を確保しやすいでしょう。土日は平日より時給が高い求人もあるため、チェックしてみてください。
- 在宅ワーク可能な仕事を選ぶ
家で働ける仕事なら、ダブルワークでも作業する時間を確保しやすいです。たとえば、ライター、イラストレーター、プログラマーなど、在宅ワークが可能な仕事の種類は、さまざまあります。
正社員がダブルワークをするうえで知っておきたいポイント
- 正社員がダブルワークをする際は、事前に確認しておきたいことがあります。ここでは、知っておきたいポイントをまとめて解説します。
- 就業規則を確認する
すでに触れたとおり、ダブルワークを禁止している会社もあるため、必ず本業の勤務先の就業規則を確認しましょう。ダブルワークが禁止されている場合、無断でダブルワークを始めてはいけません。
- 目的を明確にする
ダブルワークを始めるなら、目的を明らかにしましょう。目的が定まっていると、仕事量を調整しやすくなります。ダブルワークの目的としては、たとえば収入アップや新しいスキルの獲得などが、よくあげられます。
- 早めに上司に相談する
就業規則でダブルワークが禁止されていても、上司に相談すると許可が下りる可能性もあります。たとえば、やむを得ない事情によりダブルワークを始める必要がある場合は、理由を正直に伝えながら相談しましょう。
- 転職の選択肢も検討する
収入アップだけを目的としてダブルワークを始める理由なら、ダブルワークではなく転職も視野に入れましょう。特に、勤務先がダブルワークを認めていない場合は、より高収入を得られる会社、もしくはダブルワークを認めている会社への転職を検討するとよいです。
- 正社員がダブルワークに取り組む際は、気をつけたいこともあります。ここでは、具体的な注意点を解説します。
- 責任感を持って仕事に取り組む
本業以外にダブルワークで副業する場合も、本業と同様に責任感を持って取り組む必要があります。誠実に業務をこなし、高いレベルの業務や成果物を提供できるよう努力しましょう。
- 情報漏えいに注意する
副業・兼業の促進に関するガイドラインにおいても、秘密保持義務があげられています。本業・副業にかかわらず、仕事で知り得た情報は外部に漏らさないよう、十分に配慮すべきです。
- 自己管理を徹底する
ダブルワークを始めればプライベートの時間が少なくなるため、要注意です。十分に休息をとれず体調を崩すケースもあります。自己管理を徹底し、本業とそれ以外の仕事の両方で成果を出せるようにしましょう。
- 社会保険の加入手続きが必要な場合がある
ダブルワークの勤務先で社会保険の加入条件を満たせば、複数の勤務先で社会保険に加入することになります。ただし、保険証の発行元は自分で1つ選択可能です。状況に応じて適切に手続きしましょう。
- 所得に応じて確定申告を行う必要がある
ダブルワークで20万円を超える所得が発生すれば、年末調整とは別に確定申告が必要です。また、所得が20万円より少なくても所得税が源泉徴収されているなら、確定申告により税金の還付を受けられる可能性があります。
確定申告についての記事はこちら
- 正社員が勤めている会社とは別に、ダブルワークをして収入を得ることは、法律上問題ありません。しかし、勤め先によっては就業規則で禁止されている場合もあるため、注意が必要です。また、ダブルワークにはメリット・デメリットの両方があるため、ポイントを理解したうえで取り組みましょう。
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