バイトを掛け持ちするときに知っておきたいポイント|掛け持ちのメリット・デメリットも解説
- バイトを掛け持ちすると、収入が増えたり、多様なスキルが身についたりするなどのメリットがあります。しかし、収入が増えると確定申告が必要になり、103万円の壁や106万円の壁などの問題を考慮しなければなりません。
本記事では、バイトを掛け持ちするポイントや掛け持ちできるバイトを探すポイント、メリットやデメリットなどについて解説します。バイトの掛け持ちを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
- バイトを掛け持ちして働きたい場合は、思わぬトラブルに発展しないように、5つのポイントを押さえておきましょう。
- 年収の壁を理解しておく
バイトを掛け持ちすると、その分年収が増えます。そのため、103万円の壁と106万円の壁について理解しておかなくてはいけません。
103万円の壁は税金の壁であり、106万円の壁は社会保険の壁です。原則として、103万円の壁を超えると所得税や住民税の支払いが必要となり、106万円の壁を超えると厚生年金、健康保険に加入が義務付けられます。
106万円を超えると扶養からも外れるため、扶養家族が減って世帯主の税金も増えてしまいます。ただ、厚生労働省から「年収の壁・支援強化パッケージ」という支援策が2023年10月から実施されています。対象の企業であれば年収の壁を意識せずに働ける可能性もあるので、事前に確認しましょう。
参考:厚生労働省|年収の壁・支援強化パッケージ
- 確定申告は年収20万以上
掛け持ち先のバイトの年収が20万円を超えると、所得税を確定させるために、自分で確定申告しなければなりません。掛け持ちバイトをしていない状態で、会社が年末調整してくれる場合は、原則として確定申告は不要です。
しかし、所属する会社が増えると、2社目以降の会社では年末調整してもらえないため、確定申告が必要です。メインとなる会社で年末調整をしてもらい、2社目以降の収入については自分で確定申告を行います。確定申告をしないと、税金を払いすぎてしまう可能性があるため、忘れずに手続きしましょう。
- 法定労働時間を理解しておく
労働する時間は、労働基準法によって制限されています。そのため、バイトの掛け持ちでも、法定労働時間として定められている週40時間、1日8時間を守る必要があります。
法定労働時間を超えると、雇用主が割増賃金を払う義務が発生してしまいます。法定労働時間を超えたバイトの掛け持ちは、どこかの会社に割増賃金の支払い義務が生じるかが変わるため、思わぬトラブルにつながりかねません。
例えば、コンビニで5時間働いた後に、居酒屋で5時間働いた場合、居酒屋は2時間分の割増賃金を支払わなければなりません。このようなトラブルに発展しないよう、バイトの掛け持ちをしている旨と、現状こなしている労働時間を、掛け持ちするバイト先に伝えておく必要があります。
- 正確なシフト管理
バイトを掛け持ちすると、シフト管理が難しくなります。同じ日、同じ時間にバイトがダブルブッキングしてしまうと、バイト先に大きな迷惑をかけてしまいます。
バイトを掛け持ちする際のシフト管理は、自己責任です。メインのバイトを決めて、合間に他のバイトを入れるなど、スケジュール調整しやすい工夫をするとよいでしょう。
- 体力と体調に注意
バイトを掛け持ちして仕事量を増やせば、収入は増えるものの、体力の消耗は避けられません。体調不良やケガにつながらないように、負担軽減できるような工夫が必要です。
立ち仕事の連続やデスクワークの連続など、体力を消耗しやすいバイトの掛け持ちは避けるのが得策です。
- 掛け持ちできるバイトを探す際は、なるべく自分が働きやすいバイト先を選ぶことが重要です。ここからは、バイト先を探す際に押さえておきたい4つのコツについて解説します。
- シフトの融通のききやすさを重視する
掛け持ちバイトを選ぶ際には、シフトが調整しやすいかどうかを確認しておきましょう。現在働いている会社のシフトと被らない時間帯で働ける会社や、シフトを自由に調整できる会社なら掛け持ちしやすくなります。
メインのバイト先が、シフト変更の多い会社であれば、単発バイトのように空いた時間に働きやすいバイトを選ぶのがおすすめです。
- 移動時間がかからない
バイト先からバイト先までの距離を考慮することも重要です。同じ日にシフトを入れる場合、移動時間がかからない方が働きやすく、移動の負担もかかりません。
移動距離が長いと、電車の遅延や渋滞などで遅刻などが発生し、信用問題につながる可能性があります。移動時間がかかるようであれば、メインのバイトが休みの日に入れるように、調整可能か確認しておくとよいでしょう。
- 肉体労働の重複は避ける
肉体労働系のバイトを掛け持ちすると、大幅に体力を消耗し、ケガや事故の原因となってしまいます。立ち仕事の掛け持ちも負担が大きいため、体の不調につながりやすいでしょう。
自分の体力や体調を冷静に判断して、肉体労働をメインにしているなら、デスクワークにするなど、組み合わせる職種を選ぶようにしましょう。
- 短期バイトや単発バイトから始める
短期バイトや単発バイトは自分の都合を優先できるため、掛け持ちにも向いています。初めてバイトを掛け持ちする人にもおすすめです。
2つ以上の勤務先で働く際のスケジュール調整が経験でき、本格的に掛け持ちバイトを始める予行練習になるでしょう。気になっている職種を経験する機会にもなります。
- バイトの掛け持ちを検討しているなら、メリットやデメリットを知るのも大事です。思ったような働き方ができずに後悔しないように、しっかり理解しておきましょう。
- 掛け持ちバイトのメリット
バイトを掛け持ちする最大のメリットは、収入の増加です。一方のシフトが減れば、もう一方で増やすなど働く時間をコントロールできるため、1か所だけで働くよりも、安定した収入を得やすくなります。
異なる職種で、多様なスキルを身につけられることもメリットの1つです。挑戦してみたい業界にチャレンジしてみるのもおすすめ。職場が増えれば、それだけ人に出会う機会も増えるため、人脈も広げやすくなります。バイトの掛け持ちによって、新たな可能性を広げられるでしょう。
- 掛け持ちバイトのデメリット
バイトを掛け持ちすると、スケジュール管理が煩雑になりやすくなります。管理がうまくいかないと、本業やメインのバイトに支障をきたす恐れがあるので注意が必要です。
1日の働く時間が長時間になったり、休める日がなかったりなど、ハードスケジュールになれば体調を崩しやすくなります。また、慣れない業務や多種多様な人とのコミュニケーションなどによって、神経を使いすぎるかもしれません。体を休めるための時間はもちろん、ストレス発散できる時間も設けるようにしましょう。
- 掛け持ちバイトは、掛け持ち先の年収によって確定申告が必要になります。ここからは、確定申告について詳しく解説します。
- 確定申告は事前準備が必要
確定申告のためには、前準備が必要です。確定申告の手続きができる期間が定められているため、慌てなくていいように早めに準備を始めましょう。
確定申告で必要となる書類は、以下の通りです。
- 源泉徴収票は、全てのバイト先のものが必要です。また、生命保険や寄付などの控除証明書がある場合には、失くさないようにしっかり保管しておきましょう。
- 年収20万以上で確定申告しないとペナルティがある
確定申告は基本的に、所得を得た翌年の2月16日~3月15日までの間に手続きします。この期間中に確定申告をしなかった場合、無申告加算税が課される可能性があるので注意が必要です。
また、確定申告の期限が過ぎ、所得税を納付していなければ、延滞税が課せられます。確定申告を放置すればするほど、科されるペナルティは厳しくなるため、必ず行いましょう。
- 確定申告の流れも理解しておこう
慣れるまでは、確定申告に時間がかかってしまうため、期間内に手続きを済ませるためにも確定申告の流れを知っておきましょう。
確定申告の流れは、以下の通りです。
- 自分だけで確定申告を行うのが不安なら、税務署で手伝ってもらう方法もあります。また、e-Taxを活用すれば、インターネットで申告可能なので、忙しくて税務署に行く暇がないという人にはおすすめです。
- バイトの掛け持ちを秘密にするのは、両方のバイト先にバレる可能性が高いほか、信用を失う可能性があるので避けましょう。年末調整で控除額が重複したり、住民税の額が上がったりするため、掛け持ちを隠しても発覚しやすいためです。
会社によっては、機密情報漏洩防止のために就業規則で掛け持ちを禁じているケースがあり、掛け持ち発覚により解雇となるかもしれません。そのため、バイトの掛け持ちは、働いている職場への相談から始めましょう。会社の許可を得られれば、シフトの調整がしやすくなるよう配慮してもらえるケースもあります。
- バイトの掛け持ちは、収入源が増え、安定した収入が得られたり、人脈が広がったりするなど、メリットが多くあります。しかし、心身の負担や本業への影響、確定申告の手間などのデメリットもあるため、自分の状況に合わせて判断が必要です。
掛け持ちバイトを探すなら、シフトの融通がきき、体力の消耗が抑えられる仕事を選びましょう。短期バイトや単発バイトなど、空いた時間に入れやすいバイトもおすすめです。
「シフトワークス」なら、掛け持ちしやすい条件を絞って求人探しが可能です。働く時間やシフトから自分に合う条件の仕事を素早く見つけられます。掛け持ちのバイトを探すなら、ぜひ以下から会員登録にお進みください。