パートを1日で辞めることは可能?ケース別の伝え方や注意点を解説

  • せっかく採用されたにも関わらず、パートの初日に「辞めたい」と感じるケースもあるでしょう。仕事内容や職場環境、人間関係などさまざまな要因が考えられますが、働き始めたばかりにも関わらず退職の意思を伝えることに対して、躊躇を感じる人は少なくありません。

    本記事では、パートを1日で辞めたいと考えている人に向けて、1日で辞めることは可能かを解説します。辞める際の注意点や伝え方のコツ、退職手続きのポイントなども解説するため、参考にしてください。

パートを1日で辞めることは可能?

  • 結論からいうと、当事者間の合意があれば、勤務初日でもパートを辞めることは可能です。以下で、詳しく解説します。
  • 事情があるなら1日で辞められる
    パートを辞めざるを得ない正当な理由があり、パート先が合意した場合、1日で仕事を辞めることは可能です。民法第628条では、やむを得ない事情がある場合の退職について、以下のように定めています。

    「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる」

    辞めざるを得ない理由としては、家族の病気や育児関連、自身の急な体調不良や、パート先の過失などが挙げられます。

    一方、パート先の合意が得られず、契約期間が決まっていない場合は、パートを辞める2週間前までに伝えなくてはいけません。また、パート先によっては、就業規則に「退職するときは1か月前までの申告が必要」と定められている場合もあります。

    アルバイトを退職したい際の言い方についての記事はこちら

    ※引用:民法 | e-Gov法令検索
  • パートを無断で辞めることは避ける
    1日で辞めるのは気まずい、咎められるのが怖い、といった理由から、無断でパートを辞めようとする人もいるかもしれません。しかし、くれぐれも無断退職は避けましょう。

    パート先に連絡せずに辞めると、パート先やスタッフに多大な迷惑をかけ、損害賠償を請求される可能性もあります。また、パートで使う道具や制服などを返却していない場合は、業務上横領罪に問われる可能性もあるため、注意が必要です。

【理由別】パートを1日で辞める際の伝え方

  • パートを1日で辞める際は、家庭の事情や体調不良、働いて気付いたギャップなど、辞めたい理由を簡潔に伝えることが重要です。ここでは、パートを1日で辞める際の伝え方を解説します。

    バイトの辞め方についての記事はこちら
  • 理由1:家庭の事情
    まずは、家庭の事情でパートを辞める場合の伝え方を紹介します。

    「働きはじめたばかりで恐縮ですが、本日、急に父が体調を崩しました。私が付き添うことになったのですが、仕事と両立していくのは厳しいと考えております。申し訳ありませんが、退職させていただきたいと考えております」

    プライベートな事情になるため、パート先から詳細を追究される可能性は低いと考えられます。働き始める前後の状況の変化を、丁寧に説明することが大切です。
  • 理由2:体調不良
    次に、健康上の理由でパートを辞める場合の例文は、以下のとおりです。

    「申し訳ありません。パート初日で恐縮ですが、作業中に持病の腰痛が悪化してまいりました。今後もこの仕事を続けていくことが難しいと感じております。健康上の理由で恐縮ではございますが、退職させていただけないでしょうか」

    無理に働き続けると、業務中に体調が悪化したり、症状が深刻化したりする恐れがあります。正直に体調に対する懸念を伝えつつ、退職の意思を丁寧に示しましょう。
  • 理由3:ギャップ
    求人票の記載内容と、実際の仕事内容とのギャップに不満を感じ、退職を検討するケースは少なくありません。想定していた内容とのギャップを理由にパートを辞める際は、以下のような伝え方が有効です。

    「求人票には、接客やレジ打ちが中心と記載されていました。しかし、実際に働いてみると、商品の品出しや在庫管理などが多いと感じました。私も事前に詳しく確認すべきだったと反省しておりますが、現在の仕事内容は体力的な負担が大きく、長く続けていくことは難しいと感じています。恐縮ですが、退職させていただけないでしょうか」

パートを1日で辞めるコツを解説

  • パートを1日で辞めるとしても、誠意を持って退職の意思を伝えることが大切です。ここでは、パートを1日で辞めるコツを解説します。
  • 対面で伝える
    基本的に、退職の意思はパート先の上司に対面で伝える必要があります。上司にも都合があるため、あらかじめアポイントを取ってから話すことが大切です。

    アポイントを取る際は、「お話したいことがあるので、お時間をいただけますか」などのように、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。その日のうちに直接上司と会う時間を取れない場合は、電話やメールなどでアポイントを取るようにしてください。
  • 理由をきちんと話す
    退職の意思は、端的かつ明確に伝えましょう。基本的には、退職を希望する理由を正直に話せば問題ありません。しかし、伝えにくい理由の場合は、「家庭の事情で」のように、具体的な理由を伏せるのも手です。自身が辞めるとなれば、パート先は再度人材を探す必要に迫られます。理由によっては、スムーズに退職できない場合もあると、理解しておきましょう。
  • パート先への不満は控える
    パート先への不満が原因で辞める場合でも、本音を伝えることはおすすめできません。仮にそれが正直な気持ちだとしても、パート先の上司はそのような内容を伝えられても、あまりよい気はしないはずです。スムーズに辞められずに、トラブルに発展する可能性もあります。アポイントの前に気持ちを整理し、角が立たない表現を検討しましょう。
  • 退職手続きを確認する
    一般的には、退職についてパート先との合意を交わした後に、パート先から貸与されていた物品を返却し、手続きに必要な書類を提出します。必要な手続きが終わらないまま退職してしまうと、退職後に郵送でのやりとりが必要になる場合があるため、注意してください。手間を避けるためにも、事前に退職手続きの流れを確認しておきましょう。
  • 感謝の気持ちを伝える
    パート先の休憩時間や勤務後などに、お世話になった仕事仲間にお礼の言葉を伝えましょう。1日でパートを辞めるとなると、周囲を動揺させる可能性があります。自身に原因があったのかと、仕事仲間を悩ませてしまうかもしれません。誤解を避けるためにも、直接向き合って退職する事情を伝えましょう。直接話せない場合は、メールやLINEでの連絡をおすすめします。

パートの退職手続きにおけるポイント

  • ここでは、パートの退職手続きにおけるポイントを解説します。円滑に退職できるように、適切な手順で行動しましょう。
  • 返却物について確認する
    名札や制服など、パートで使用していた私物以外のものは、いずれもパート先に返却する必要があります。クリーニングが必要か、いつまでに返却すべきか、どこに返却すべきかを確認して、不備がないように行動しましょう。
  • パート代の受け取り方を確認する
    1日でパートを辞める場合でも、その日に働いた分の給料は、支払われる決まりになっています。そのため、パート先の上司や店長に、受け取り方法や支払い予定日を、事前に確認しておきましょう。手渡しでパート代を受け取る場合は、受け取り日程についてパート先と調整しておくことを、忘れないよう注意してください。
  • 退職届が必要か確認する
    働いた日数がたとえ1日だけでも、パート先によっては退職する際に、退職届の提出が必要になる場合があります。正社員、パートなどの雇用形態に関係なく、退職届が必要かどうかをパート先に確認しておきましょう。

    パートの退職届についての記事はこちら
  • 退職後の書類の扱いを確認する
    パートを辞める際は、パート先に雇用保険被保険者証や源泉徴収票などの書類について、交付時期や受け取り方法などを確認しておくと安心です。雇用保険被保険者証は、退職後に再就職活動をする際に必要となる場合があります。また、源泉徴収票は、所得税の確定申告に必要です。

パートを1日で辞める際の注意点

  • 以下では、パートを1日で辞める際の注意点を解説します。既に辞める決意が固まっている人はもちろん、様子見をすべきか迷っている人も、退職か継続かの検討にぜひ役立ててください。
  • 引き留められる可能性がある
    直近のシフトが決まっている場合、欠員が発生する可能性があるため、パート先から引き留められてしまうことも考えられます。特に繁忙期であれば、パート先は欠員を避けたいところです。また、採用活動をやり直す手間や費用を理由に、退職を拒まれる場合もあります。

    家庭や自身の体調のようなやむを得ない理由がない限り、交渉が難航するかもしれません。パート先の立場に立って、誠意を持って交渉しましょう。
  • 逃げ癖がつきやすくなる
    パートを1日で辞めると、逃げ癖がついてしまう可能性があります。辞めた後に他のパートを始めても、同じように長続きしないかもしれません。初日によい印象を抱かなくても、続けていくうちに仕事に慣れて辛さを感じなくなったり、適職だったりすることもあります。今すぐ辞めなくても生活や健康に支障がない場合は、納得するまで続けてみてもよいでしょう。
  • 履歴書でマイナス評価を受ける可能性がある
    勤務期間が短いパートは、職歴として履歴書に記載しない方が無難です。1日でパートを辞めてしまうと、次のパート先に応募する際に、そのパートでの経験やスキルをアピールできません。むしろ、1日で辞めたという事実があると、この仕事も辞めてしまうのではないかと、次のパート先に懸念されてしまう可能性があります。
  • パート代の請求が難しい場合がある
    パートを1日で辞めた場合でも、働いた分の給与は発生します。万一、働いた分のパート代が支払われない場合は、パート先への請求が可能です。しかし、スムーズに辞められなかった場合、パート先が支払いを渋る可能性も考えられます。

    また、1日でパートを辞めたことで、気持ち的に請求が難しいと感じる人もいるかもしれません。給与の振込口座を登録済みの場合は、顔を合わせることなく後日給与が振り込まれます。一方、口座が登録されていない場合は、後ろめたさを感じるかもしれませんが、パート先に直接給与を受け取りに行く必要があるでしょう。

まとめ

  • パートが辛いときは、1日で辞めることも可能です。しかし、パート先にも都合があるため、やむを得ない理由がない限り、退職の意思を認めてもらえない可能性があります。誠意を持って辞める理由を伝え、パート先の合意を得るようにしましょう。

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