契約社員とパートの違いとは?定義やメリット・デメリットを解説
- 仕事を探しているときに、パートと契約社員のどちらがよいのか迷ってしまうケースは、少なくありません。パートと契約社員ではさまざまな違いがあるため、違いを理解したうえで比較することが重要です。本記事では、パートと契約社員の違いを解説します。それぞれの定義から、メリット・デメリットまで解説するため、ぜひ参考にしてください。
- そもそも、契約社員とパートとはどのような働き方なのでしょうか。ここでは、それぞれの概要を解説します。
- 契約社員とは
契約社員とは、あらかじめ契約期間が定められている従業員のことです。半年や1年というように契約期間が決められており、契約期間が満了後は更新するかどうかを会社が判断します。正社員の場合には無期雇用ですが、契約社員は有期雇用という違いがあります。主にフルタイム勤務となるため、労働時間や拘束時間が長くなりやすいです。
- パートとは
パートとは、短時間労働ができる労働形態のことです。1日や週単位で労働時間を調整できるため、フルタイムで働くこともできれば短時間働くこともできます。パートの場合、希望の勤務日数や曜日、時間などを会社側に伝えて、シフトが決められるケースも多いです。そのため、空き時間などを有効活用しやすい労働形態だと言えるでしょう。
- その他
雇用形態はさまざまで、正社員や契約社員パート以外にも、アルバイトや派遣社員、嘱託社員といった雇用形態があります。
・アルバイト:短時間労働できる労働形態で、名称は違うがパートと基本的に同じ雇用形態
・派遣社員:派遣会社に雇用されており、派遣会社から職場に派遣される従業員
・嘱託社員:定年退職した後に再雇用される従業員
- 契約社員とパートには、さまざまな違いがあります。ここでは、契約社員とパートの違いについて詳しく解説します。
- 契約社員とパートの違い1.労働時間
契約社員とパートとでは、労働時間の違いがあります。前述したように、契約社員の労働時間は、基本的にフルタイムです。一方、パートは短時間勤務もしやすくなっています。契約社員の方が、パートよりも残業の頻度や量は多くなりがちのため、労働時間は長くなる可能性が高いです。
- 契約社員とパートの違い2.業務内容
パートと比較すると、契約社員は任せられる業務の幅が広く、責任も重くなりがちです。一方、パートは任せられる業務内容が少なく、責任も軽めであるケースが多いでしょう。そのため、責任ある仕事がしたい場合は、契約社員が向いています。
- 契約社員とパートの違い3.給与
契約社員とパートでは、給与形態に大きな違いがあります。契約社員は基本的には月給制です。一方、パートは時給制が一般的で、支給額は月によって変わります。ただし、月給か時給かは、会社によって異なります。
- 契約社員とパートの違い4.賞与
契約社員の場合、正社員とほとんど変わらない水準で、賞与が支払われるケースもあります。パートの場合、賞与が必ず支給されるとは限りません。賞与が支給される場合でも、契約社員よりは少ない傾向にあるようです。ただし、賞与については会社によって異なるでしょう。
- 契約社員とパートの違い5.休日・休暇
契約社員の休日・休暇は、正社員と同じになるケースが多いです。たとえば、週5勤務で週休2日というような会社が多いでしょう。パートの場合、シフト制を採用している会社が多く、好きな日に休めるなど、契約社員と比較すると自由度が高いです。
- 契約社員とパートの違い6.社会保険
契約社員は、労働条件が正社員とほとんど変わらないため、社会保険の加入条件を満たす場合が多いです。一方、パートは短時間労働が多いため、社会保険の加入条件を満たせないケースが多いでしょう。そのため、社会保険に加入したい場合は、契約社員が向いています。
社会保険についての記事はこちら
- 契約社員として働くことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、契約社員として働く4つのメリットを解説します。
- 社会保険の加入資格がある
契約社員は、正社員とほぼ同じ労働条件になるため、社会保険に加入できるケースが多いです。保険料は労使折半となるため、国民健康保険と比較すると、保険料負担が少なくて済みます。また、傷病手当金などもあるため、手厚い保障が受けられることもメリットです。
- 給与が安定する
契約社員は、月給制であることが一般的です。そのため、安定した給与が得られるという点は大きなメリットと言えるでしょう。パートの場合は時給制のため、休むとその分収入が下がってしまいます。そのため、収入が安定しにくい点がデメリットです。
- スキルアップにつながる
契約社員は、業務内容が明確です。業務内容が契約によって定められているため、業務の専門性を高めやすいでしょう。未経験でも、経験を重ねていくことでスキルアップできるため、自分の能力を高めやすいというメリットがあります。
- 正社員に近い金額の給与をもらえる場合がある
専門性が必要となる仕事などの場合には、正社員と変わらない給与が支払われるケースもあります。「パートタイム・有期雇用労働法」によって、「同一賃金・同一待遇」が規定されているため、同じ仕事内容にもかかわらず待遇差がある場合は、説明責任を追及できます。
- 契約社員として働くなら、メリットだけでなくデメリットも把握しておくことが重要です。ここでは、契約社員のデメリットについて解説します。
- 契約期間が定められている
契約社員は、無期雇用の正社員とは異なり有期雇用となるため、雇用期間が定められています。契約期間が終了した後も、同じ会社で働きたい場合は更新が必要ですが、会社が必ず更新してくれるとは限らないため、正社員よりも不安定です。
- 働きやすさを確保しにくい
契約社員は、正社員同様にフルタイムが一般的です。残業も発生しやすいため、労働時間や拘束時間が長くなりがちです。シフト制で働くパートと比較すると労働時間が長く、休みも自由に取りにくいため、働きやすさは劣るでしょう。
- それでは、パートとして働くことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、4つのメリットを解説します。
- シフトの融通がきく
パートはシフトの融通がききやすく、予定に合わせて休みや労働時間を決めやすくなっています。パートは、あらかじめ希望する希望日数や時間などを伝えることができ、それにあわせてシフトが決まるため、家事や育児などとの両立がしやすい働き方です。
- 求人を見つけやすい
パートは求人を見つけやすいため、できるだけ早く働きたいという人にも向いています。契約社員よりも求人数が多いため、希望する仕事を見つけやすいでしょう。職種も豊富にあり、希望に合わせた仕事を探しやすいというメリットがあります。
- 退職しやすい
パートは業務や責任が限定されるため、契約社員と比べると退職しやすくなっています。勤務先の状況にもよりますが、家庭の事情などで退職したいと申し出た場合も、引きとめられにくく、スムーズに退職できる可能性が高いです。
- 扶養内で働きやすい
パートはシフト調整すれば、扶養内で働くことができます。契約社員の場合にはフルタイムでの勤務が多いため、扶養内での勤務は難しいでしょう。そのため、配偶者の扶養に入ったまま働きたいという場合には、パートがおすすめです。
扶養内パートの働き方についての記事はこちら
- パートにはさまざまなメリットがありますが、デメリットもあります。ここでは、パートとして働くデメリットを解説します。
- 収入が安定しにくい
パートは、一般的に時給制やシフト制を採用しているケースが多いため、収入が安定しにくいというデメリットがあります。勤務時間が少なくなったり休んだりすると、給与が下がってしまうため、毎月安定した給与が欲しいという場合には不向きです。
- 雇用が不安定である
パートは非正規雇用にあたるため、雇用が不安定であることも、デメリットです。経営状況が安定している場合にはあまり問題ありませんが、経営状況が悪化するなど、状況次第で雇い止めになる場合もあるため、注意しましょう。
- キャリアアップが難しい
パートは比較的責任が軽く、任せられる仕事も限定的です。そのため、専門的なスキルを必要とする業務を任せられることがなく、スキルを身につける機会が少ないです。スキルアップがなかなかできないため、キャリアアップが難しい場合もあります。
- ここでは、契約社員やパートに関してよく聞かれる質問と、その答えをまとめました。
- 契約社員やパートの雇用契約は途中で変更可能?
結論から言うと、雇用契約を変更することは可能です。労働契約法第8条によって、労働者と雇用者の合意があれば、雇用契約の変更が可能と定められています。この際、労働者もしくは雇用者どちらか一方だけの希望では変更できません。雇用契約を切り替えたい場合には、早めに雇用者に相談してみるとよいでしょう。
- 会社が正社員ではなく契約社員を採用する理由は?
会社が正社員ではなく契約社員を採用する理由はいくつかありますが、「契約社員の方が雇用調整しやすい」という理由がまず挙げられます。契約期間が定められているため、繁忙期の人員増加などにも対応しやすくなります。
また、正社員登用を視野に入れたトライアル目的で、契約社員として採用するケースもあるようです。即戦力となる人材を雇用することもできるため、自社での育成コストを削減したいという理由から、契約社員を採用するケースもあります。
- パートと契約社員にはさまざまな違いがあります。労働時間や業務内容、給与や社会保険など多くの違いがあるため、自分に合っている働き方がどちらなのかをよく比較したうえで、選ぶとよいでしょう。収入の安定性やスキルアップを目指すなら契約社員、家事や育児との両立や扶養内で働きたいという場合にはパートが向いています。
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