アルバイトも社会保険の対象?加入条件やメリット・デメリットを解説

  • 社会保険とは公的な保障制度であり、一般的には健康保険と厚生年金保険をさしています。アルバイトとして働いている場合も、条件を満たせば社会保険への加入が可能です。この記事では、アルバイトが社会保険に加入するメリット・デメリットとともに、加入の条件や手順を解説します。ぜひ役立てください。

そもそも社会保険とは

  • 社会保険とは、国が運営している公的な保障制度です。具体的には、年金保険、医療保険、雇用保険、介護保険、労災保険が当てはまります。ただし、一般的に社会保険という場合、健康保険と厚生年金保険を表しているケースが多いです。

    条件に当てはまれば、社会保険に加入する義務が生じます。加入条件は各社会保険によってさまざまです。社会保険に加入すると保険料を支払う義務が生じ、定められた状況になれば給付を受け取れます。

アルバイトが社会保険に加入するための条件を解説

  • アルバイトが社会保険に加入するには、さまざまな条件を満たす必要があります。具体的な条件について解説します。
  • 勤務時間・日数
    アルバイトが社会保険に加入するには、正社員の勤務時間・日数に対して4分の3以上勤務する必要があります。社会保険に加入できるタイミングは、1週間または1ヶ月の所定労働日数が、正社員の4分の3以上になると分かった時点です。ただし、この時点で2ヶ月以上雇用する見込みがなければなりません。

    勤務時間・日数の条件を満たしていれば、勤務先の規模、年収、学生か否かにかかわらず社会保険へ加入できます。
  • 年収
    勤務時間・日数が正社員の4分の3に満たない場合でも、年収が106万円以上なら、アルバイトでも社会保険に加入できる可能性があります。そのためには、年収以外にもさまざまな条件を満たす必要があります。

    具体的には、週の所定労働時間が20時間以上であり、勤め先の従業員数が101人以上であることなどです。ただし、勤務先の従業員数が100人以下であっても、労使で合意されていれば社会保険への加入が認められます。また、年収の基準をもとに社会保険へ加入するには、学生でないことも条件となります。

    各健康保険組合によっても条件が異なる可能性があるため、個別の確認が必要です。

2024年10月から適用範囲が拡大

  • アルバイトが社会保険に加入するための条件は段階的に拡大されており、より多くの人が社会保険に加入しやすくなっています。今後も社会保険に加入するための条件は拡大される見込みです。

    2024年10月には、社会保険への加入に関する勤務先の従業員数の条件が変更になります。現在では勤務先の従業員数が101人以上である必要がありますが、変更後は51人以上に緩和される予定です。

アルバイトが社会保険に加入するメリットとは

  • アルバイトが社会保険に入ると、さまざまなメリットがあります。ここでは、具体的にどのようなメリットがあるか解説します。
  • 保険料が会社と折半される
    勤務先で社会保険に加入できれば、保険料を勤務先と折半できます。勤務先で加入する健康保険と厚生年金の保険料は、労働者と雇用者が折半する決まりになっているからです。国民健康保険や国民年金に個人で加入する場合、保険料は全額自己負担となります。アルバイトの勤務先で社会保険に加入できれば、より少ない負担で必要な保障を受けられます。
  • 将来受け取る年金が増える
    勤務先で厚生年金に加入すると、基礎年金に厚生年金が上乗せされます。厚生年金に加入する前よりも年金の保障が手厚くなるため、安心感が増します。厚生年金保険は、加入期間が長いほど将来受け取れる年金額も増える仕組みです。アルバイトであっても、勤務先で厚生年金に長く加入し続ければ将来受け取れる年金額を増やせます。
  • 保険制度が手厚い
    アルバイトとして働きながら勤務先で社会保険に加入した場合、より手厚い保険制度を利用できます。たとえば、勤務先で健康保険に加入していると、病気や怪我の治療のために働けない期間は傷病手当金を受け取れます。出産の際は、出産育児一時金の受け取りが可能です。

    国民健康保険に加入していても、これらの給付はありません。勤務先で社会保険に加入できれば、より充実した保障を受けられます。

アルバイトが社会保険に加入するデメリットも確認

  • アルバイトが社会保険に入れば、デメリットも生じます。具体的にどのようなデメリットがあるか解説します。
  • 手取りが少なくなる
    勤務先で社会保険に加入すると、給与から保険料が天引きされます。その分だけ手取りの金額も少なくなります。

    特に、アルバイトとして働いている途中で社会保険に加入した場合、同じ条件でも手元に入る金額が少なくなるでしょう。状況によっては、家計の見直しが必要になる可能性もあります。勤務先で社会保険に加入する際は、保険料の負担が必要である点に注意が必要です。
  • 家族手当が支給されなくなる場合がある
    配偶者が自分の勤め先から家族手当を受け取っている場合、アルバイトの勤務先で社会保険に加入すると、家族手当が支給されなくなる恐れがあります。家族手当の支給条件が「社会保険の被扶養者」になっているケースが当てはまります。アルバイトの勤務先で社会保険に加入する際は、配偶者が受け取っている家族手当の条件も確認しましょう。

アルバイトにおける年収の壁の対処法とは

  • アルバイトの年収が106万円以上になると社会保険に加入する必要があり、「年収の壁」と表現されています。ここでは、年収の壁の対処法について解説します。
  • 扶養内で働くことを勤務先に伝える
    自分で社会保険に加入せず扶養内で働きたい場合は、面接のタイミングでその旨を勤務先へ伝えましょう。労働契約書においても、扶養内で働ける条件を記入する必要があります。
  • アルバイトを掛け持ちする
    ある程度まとまった金額を稼ぎつつ年収の壁に対処したいなら、複数の勤務先で働いて給料の発生を分散する方法もあります。1つの勤務先での年収が106万円以上にならなければ、社会保険の加入条件を満たさずに済むからです。ただし、複数の勤務先で働いていても、給料を合計した年収が130万円を超えれば扶養から外れるため、注意が必要です。

社会保険に加入する手順を解説

  • ここでは、社会保険に加入する手順について詳しく解説します。
  • 現在国民年金に加入している場合
    もともと国民年金に加入している場合は、国民年金から厚生年金への切り替えが必要です。アルバイトの勤務先が年金事務所に対して手続きを行うため、指示に従って必要書類を提出しましょう。一般的には、マイナンバーや年金手帳などが必要です。
  • 現在国民健康保険に加入している場合
    もともと国民健康保険に加入している場合は、勤務先が加入している健康保険へ切り替えます。健康保険への加入についても、基本的にはアルバイトの勤務先が手続きを行います。

    ただし、国民健康保険の資格喪失については、本人が自分で届け出なければなりません。住んでいる自治体の窓口で手続きできるため、具体的な方法について問い合わせて対応しましょう。
  • 現在配偶者の健康保険に加入している場合
    配偶者の勤務先の健康保険に加入している場合は、配偶者を通じて配偶者の勤務先の担当者へ連絡する必要があります。健康保険の資格喪失について伝え、手続きを進めます。必要な書類や手続きの期限などはそれぞれの健康保険によって異なるため、あらかじめ確認したうえで適切に手続きを進めてください。

まとめ

  • アルバイトであっても、一定の条件を満たせば社会保険に加入できます。ただし、社会保険への加入にはメリットとデメリットの両方があります。それぞれをよく確認し、加入の条件を満たすべきか判断することが大切です。

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