アルバイトが社会保険を抜ける方法|社会保険のメリット・デメリットも解説

  • アルバイトで社会保険に加入している場合、社会保険を抜けるかどうかで悩む人や、そもそも社会保険を抜けられるかわからない人は多いのではないでしょうか。

    この記事では、アルバイトが社会保険を抜ける方法について解説しています。社会保険に関係している年収の壁や、社会保険のメリット・デメリットも解説するので、参考にしてください。

アルバイトが社会保険を抜ける方法

  • アルバイトで社会保険に入っている場合、社会保険から抜ける方法はあります。ここでは、アルバイトが社会保険を抜ける方法を解説します。
  • 月収を減らす
    アルバイトの場合、月収を減らすことで社会保険から抜けられます。社会保険を抜けるための月収は、88,000円未満が目安です。年収で計算したときに、年収106万円未満に収まるように調節しなければなりません。106万円を12で割った場合、1か月あたりの収入は88,000円強となります。

    細かい数字を考えず上限を大体88,000円と考えておくと、少しオーバーする日があっても106万円に収まる可能性が高いでしょう。
  • 勤務時間を減らす
    アルバイトが社会保険を抜けたい場合、勤務時間を減らして週20時間未満にする方法もあります。企業がアルバイトを社会保険から脱退させる目安として、勤務日数を正社員の勤務日数の3/4(75%)未満に収めなければなりません。これを週の勤務時間にあてはめたとき、アルバイトで社会保険を抜けたい場合の勤務時間は、週20時間未満に抑える必要があります。

アルバイトの社会保険料が引かれる年収の壁

  • 年収を気にかけずに働いていると、年収の壁を越えてしまうこともあります。ここでは、アルバイトの社会保険料にかかわる年収の壁について解説します。
  • 年収106万円
    年収が106万円を超えてしまうと、社会保険の加入義務が発生し、抜けることはできません。正確には毎月の給与が8.8万円を超えた場合と規定されており、8.8×12か月分の105.6万円が境界ラインとなります。このラインを超えると、アルバイトの給与から年間約15万円の社会保険料が引かれるため、ラインを超えない人よりも手取り額が減ることがあるでしょう。

    なお、ここでいう年収は、通勤手当・交通費や残業代などを含めない金額です。
  • 年収130万円
    アルバイトで年収130万円を超えると、年間約19万円の社会保険料が引かれてしまいます。130万円とは家族の扶養から外れる基準で、主婦や学生でもアルバイト先の社会保険への加入が必要です。この場合の年収は、通勤手当・交通費を含めた金額で算出されるので注意しましょう。

アルバイトの社会保険料以外が引かれる年収の壁

  • アルバイトでは、社会保険料以外でも一定の年収を超えると天引きが発生するものがあります。ここでは、社会保険料以外で天引きが生じる年収の壁を解説します。
  • 年収103万円
    年収103万円は税金の壁です。学生の場合、親や保護者に扶養されることで税金を安く抑えられますが、103万円を超えると所得税がかかります。この103万円という金額は、複数の勤務先から給与をもらっている場合、合計の年収で算出されるため、掛け持ちアルバイトに注意が必要です。
  • 年収150万円
    年収150万円の壁は、配偶者控除が減額される金額です。年収150万円以下の場合、主婦・主夫の配偶者には配偶者控除や配偶者特別控除が適用されます。配偶者の年収が900万円以下であれば、配偶者がアルバイトをしても年収150万円以下で満額の控除がありますが、どちらかの年収がラインを超えることで段階的に控除額が減額されます。

    こちらも103万円と同じく合計の年収で算出されるため、掛け持ちの場合は注意しましょう。

アルバイトが社会保険に加入する際の条件

  • アルバイトの社会保険加入の条件は、以下のとおりです。

    ・月額賃金(所定)が8.8万円以上
    ・週の所定労働時間が20時間以上
    ・2か月以上継続して雇用する見込みがある
    ・学生以外である(定時制や夜学などを除く)
    ・従業員が101人以上の事業所に勤めている

    事業所の従業員数については、2024年(令和6年)10月以降、51名以上に変更となります。アルバイトを掛け持ちしている人、もしくは副業でアルバイトをしている人は、おもな勤務先1社のみの保険に加入すれば、他の勤務先で加入する必要はありません。

アルバイトが社会保険に加入する事業所の種類

  • 以下の事業所に勤務している場合は、アルバイトでも社会保険に加入しなければなりません。
  • 強制適用事業所
    強制適用事業所とは、社会保険への加入が義務づけられた事業所のことです。法人であれば、社長1名の場合でも強制適用事業所として扱われます。また、個人事業所の場合、常時雇用する従業員が5人以上であれば強制適用事業所です。ただし、農林漁業・サービス業などを除きます。
  • 任意適用事業所
    任意適用事業所は、任意で厚生労働大臣の認可を受け社会保険に加入している事業所です。強制適用事業所の条件に該当しない事業所は任意適用事業所になれます。ただし、任意適用事業所となることに従業員の半数以上が同意していることが条件です。任意適用事業所となった場合、保険加入の条件は強制適用事業所と同じです。

アルバイトが社会保険に加入しなくてよいケース

  • 適用事業所に勤めるアルバイトが社会保険に加入しなくてよいケースとして、31日未満で辞めるケースが挙げられます。最初から辞める予定なのであれば、加入手続き自体が必要ありません。また、社会保険は、加入の手続きをしてすぐに辞めても違反にはなりません。ただし、社会保険に加入する手続きをした場合、31日未満でも保険料支払いの義務があることに注意しましょう。

アルバイトが社会保険を抜けるタイミングは?

  • アルバイトがタイミングよく社会保険を抜けるには、月末より1日前に退職するとよいでしょう。社会保険は企業を退職した日の翌日(資格喪失日)までが対象となるため、たとえば3月31日に退職すると、4月1日までの社会保険料が発生します。したがって月末よりも1日早く行動すれば、月末までの加入で区切りをつけられるでしょう。

アルバイトが社会保険を抜ける際の手続き

  • アルバイトは、社会保険を抜ける手続きをする必要がありません。ただし、社会保険が切れるのであれば国民年金、国民健康保険の加入手続きが必要です。そこでアルバイトの社会保険が切れる際は、本人が住まいの市区町村の役所を訪れ、国民年金と国民健康保険に加入する手続きをします。

    なお、アルバイトを辞めた次の日から次の仕事先で社会保険に入る場合は、次の職場からの指示に従い手続きをしましょう。

アルバイトが社会保険に加入するメリット・デメリット

  • アルバイトの社会保険加入には、メリットもデメリットもあります。以下で双方について解説します。
  • アルバイトが社会保険に加入するメリット
    アルバイトが社会保険に加入すると、年金や障害などの保障が充実します。社会保険加入によって保険料を会社と折半することになるため、一人で社会保険料を支払うことに比べれば負担する金額が減るでしょう。さらに、少ない負担で保障を充実させられると考えると、社会保険の加入にもメリットがあります。
  • アルバイトが社会保険に加入するデメリット
    アルバイトが社会保険に加入すると、給与から社会保険が天引きされるため、手取り額が減ってしまいます。特に106万円・130万円など壁を少し超えた額で年収が止まってしまった場合は、保険料の負担によって社会保険の未加入時より手取りの収入が減る可能性があるでしょう。

    アルバイトの社会保険についての記事はこちら

アルバイトが社会保険を抜けられる職場を探すポイント

  • アルバイトで社会保険に加入しないためには、シフトを柔軟に調節できる職場を探すことが大切です。アルバイトを募集している企業のなかには、自由にシフトを選択できるところもたくさんあります。求人サイトを使って、雇用条件を調べましょう。また、面接の際に社会保険について質問しておくと安心です。

まとめ

  • アルバイトの場合は、働く時間や収入を調整することで社会保険から抜けられます。社会保険料の負担が重い、社会保険がかかっていなかったときよりも手取り金が少なくなってしまう場合には、勤務の状況を見直し、働く時間や収入を調整してみましょう。

    社会保険を抜けるかどうか自分で決めるためには、シフトの自由がききやすい仕事を選ぶことが欠かせません。シフトワークスでは自分の働きたい時間やさまざまな条件からアルバイトを探せるため、働く時間数や給与を調整しながらでも仕事が見つかります。まずは会員登録で求人情報を閲覧し、自分にあった仕事を探してみましょう。