アルバイトでも労災は認定される?種類や適用条件、申請方法を解説

  • アルバイトで働いているときに、病気やケガを負ってしまうと、働けなくなり収入が減ってしまう原因となります。病気やケガの程度によっては、生活に支障をきたすケースもあるでしょう。本記事では、アルバイトでも労災が適用されるかどうか、給付の種類や労災に認定されるケースなどを解説するため、参考にしてください。


アルバイトでも労災は適用される?


  • そもそも、アルバイトであっても労災は適用されるのでしょうか。ここでは、労災の概要から種類、アルバイトに適用されるかなどを解説します。










労災保険とその他の保険の違い


  • 労災保険以外に雇用保険、健康保険、社会保険などがあります。ここでは、労災保険とその他の保険の違いを解説します。


  • 労災保険と雇用保険の違い
    雇用保険とは、労働者の生活および雇用の安定や就職の促進などを目的として、設けられた制度です。失業した人を対象として、一般的には失業手当と呼ばれる基本手当を支給することで、失業者の生活の補償や再就職促進などを行っています。雇用保険は失業後が対象、労災保険は業務中や通勤中、つまり在職中が対象という違いがあります。

    ※参考:雇用保険制度|厚生労働省


  • 労災保険と健康保険の違い
    健康保険とは、病気やケガなどによって発生する経済的な負担を、支え合うことを目的とした社会保障制度です。保険証を医療機関に提示することで、医療費の自己負担を原則3割に抑えられます。健康保険はプライベートでの病気やケガなどが対象、労災保険は勤務中の病気やケガなどが対象、という違いがあります。

    ※参考:知っておきたい健康保険のはなし|全国健康保険協会


  • 労災保険と社会保険の違い
    社会保険とは、医療保険・介護保険・厚生年金保険をまとめた総称です。例えば、病気やケガ、出産、障害、失業や死亡などの困難に遭遇した場合に一定の給付を行い、生活の安定を図ることを目的とした制度です。対して、雇用保険と労災保険の総称が労働保険となります。労災保険と社会保険は、分類の枠組みが異なります。

    ※参考:社会保障制度とは|厚生労働省

    アルバイトの社会保険についての記事はこちら


労災で支払われる給付の種類


  • 労災で支払われる給付の種類は、全部で6つです。ここでは、労災で支払われる給付について詳しく解説します。


  • 療養(補償)等給付
    療養(補償)等給付とは、業務もしくは通勤が原因で負傷、もしくは病気にかかって療養が必要となった場合に給付されるものです。ケガの治療費を受け取ることができるため、医療費の負担が軽くなります。また、労災指定病院で治療を受ければ支払いは不要で、労災指定病院で治療を受けない場合でも後日給付が受け取れます。

    ※参考:療養(補償)等給付の請求手続|厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署




  • 障害(補償)等給付
    障害(補償)等給付とは、業務もしくは通勤が原因でケガや病気になり、身体に一定の障害が残った場合に受けられる給付です。障害(補償)等給付では、年金または一時金が支給されます。給付内容は、障害の内容や程度によって異なり、原則として障害の程度が重ければ年金、軽ければ一時金が支給されます。

    ※参考:障害(補償)等給付の請求手続|厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署


  • 遺族(補償)等年金
    遺族(補償)等年金とは、業務もしくは通勤が原因で労働者が亡くなった場合、遺族に対して給付されるものです。遺族(補償)等給付では、年金もしくは一時金として支給されます。遺族年金の対象となる遺族は、労働者が死亡した当時、労働者の収入で生計を維持していた遺族となっています。

    ※参考:給付の種類|厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署




  • 介護(補償)等給付
    介護(補償)等給付とは、障害(補償)等年金もしくは傷病(補償)等年金の受給者のうち、一定の障害の状態に該当する人に給付されるものです。具体的には、障害・傷病等級第1級の人すべてと、第2級の「精神神経・胸腹部臓器の障害」を有しており、介護を受けている人が該当します。

    支給要件は障害の状況によって異なり、常時介護が必要な場合と、随時介護が必要な場合に分かれています。

    ※参考:介護(補償)等給付の請求手続|厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署


アルバイトで労災を受け取る方法


  • それでは、アルバイトで労災を受け取るには、一体どのような手順を踏めばよいのでしょうか。ここでは、労災を受け取る方法を解説します。


  • 労働基準監督署に労災申請する
    労災の給付を受ける場合には、労働基準監督署に労災申請を行いましょう。労災申請は、ケガや病気を負った労働者本人が行うのではなく、事業主が代わりに行うことが一般的です。事業主が手続きをしてくれない、労災申請をするのを渋られたという場合には、自分で手続きすることも可能となっているため、確認してみましょう。


  • 勤務先に損害賠償を請求する
    労災の給付では不十分という場合には、勤務先に対して損害賠償請求する選択肢もあります。労災は、病気やケガ、障害、死亡などに対して支払われるもので、精神的な苦痛に対する支払いはありません。また、障害を負った場合の補償が十分でないケースもあるため、損害賠償請求も検討してみるとよいでしょう。


アルバイトで労災保険を申請する手続き


  • アルバイトで労災保険を申請する流れは、以下のとおりです。

    1. 労働基準監督署へ請求書を提出して労災申請を行う
    2. 労災認定の調査が実施される
    3. 労災認定の結果が通知される
    4. 労災認定された場合には、指定した口座に給付金が振り込まれる

    受けたい給付によって提出する書類が異なるため、厚生労働省のWebサイトで確認しておきましょう。

    ※参考:労災保険給付の概要|厚生労働省


アルバイトで労災に認定される事例


  • アルバイトで労災認定される事例としては、以下のような内容が挙げられます。

    ・飲食店の厨房で調理を担当しており、一酸化炭素中毒になった
    ・業務で冷暖房用のファンコイルを洗浄している最中に感電した
    ・業務で冷凍機を修理している最中に、毒性物質が発生して中毒になった

    このように、業務中に何らかのトラブルによってケガや病気になった場合には、労災として認定される可能性が高いでしょう。


アルバイトで労災に認定されない事例


  • 労災として認定されないケースとしては、以下のとおりです。

    ・勤務の休憩中に飲食店に出かけて交通事故に遭った
    ・業務後にジムへ寄った帰り道で交通事故に遭った
    ・業務時間中に同僚と喧嘩になって負傷した

    同僚との喧嘩は業務中に起こったとしても、業務とは無関係のため労災認定されません。


まとめ


  • アルバイトであっても、労災に対象となります。そのため、業務中や通勤中にケガや病気になった場合には、労災申請するとよいでしょう。労災で受け取れる給付には種類があり、それぞれに提出する書類が異なるため、事前に確認しておくと安心です。

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