アルバイトも源泉徴収票は受け取れる!見方や必要なケースも紹介
- アルバイトなどの非正規雇用であっても、給与所得があれば源泉徴収票は受け取れます。源泉徴収票そのものは、個人情報が詰め込まれた重要な書類です。源泉徴収票はダブルワークや副業などで一定の収入を得た人が確定申告する際に必要な書類でもあります。
この記事では、基本的な項目である源泉徴収票の概要や見方、必要とするケースなどを紹介します。源泉徴収票が発行されない場合の対応も解説するので、ぜひ参考にしてください。
- 結論からいえば、アルバイト従業員であっても、給与所得を受け取っていれば、源泉徴収票を受け取れます。また、企業は所得税法の定めにより、給与を受け取るすべての従業員に交付する義務があります。
したがって、企業は正規雇用や非正規雇用を問わず、給与所得者に対して源泉徴収票を発行しなければなりません。年収が103万円以下で所得税が発生しない場合でも、源泉徴収票は受け取れます。
- 源泉徴収票は税金を正しく計算するために必要な書類ですが、その意味や受け取れる場所を理解しておく必要があります。ここでは、源泉徴収票の概要を解説します。
- そもそも源泉徴収票とは
そもそも源泉徴収票とは、納税者が1年間に得た給与の合計などが記載された書類です。源泉徴収は、給与から所得税などが天引きされる源泉徴収制度に基づいて作成されます。源泉徴収票は、1企業につき1枚であるため、ダブルワークでは2枚、トリプルワークでは3枚の源泉徴収票を受け取ります。
源泉徴収票には、交通費や残業代を含め給与の総額がどれだけ支払われたのか、どのような控除を受けて、どれだけの税を納めたのかなどが記載されている書類です。なお、源泉徴収で天引きされる所得税は概算であるため、年末調整によって正しい税額を計算しています。差額は12月か翌年1月に還付または徴収される仕組みです。
年末調整についての記事はこちら
- 受け取れる時期と場所
源泉徴収票は、一般的に12月の給与明細と一緒に受け取ることが多いようです。遅くとも翌年の1月の給与明細書受取時には、受け取れるでしょう。また、1年の途中で退職した場合は、退職の日以後の1か月以内に受け取れるように定められています。この場合の受取先は、原則として直近の勤め先企業です。しかし、退職した勤め先企業に出向くことが難しい場合は、郵送でも受け取れます。
- 企業から交付された源泉徴収票は、正社員やアルバイトの区別はなく、同じ項目が記載されています。源泉徴収票には、さまざまな金額が記載されていますが、肝心な4項目の見方を知っていれば、利用する際に役立つでしょう。4項目は以下のとおりです。
・支払金額
・給与所得控除後の金額
・所得控除の額の合計額
・源泉徴収税額
支払金額は、副収入がなければ年収に相当する金額です。ダブルワークや副業の収入がある場合は、その分を加算すれば年収が分かります。源泉徴収票は、1企業につき1枚を交付される決まりです。複数の企業から所得を得ていれば、その企業分の枚数を受け取りましょう。また、給与所得控除後の金額は、支払金額から給与所得控除額を引いた金額です。
所得控除の額の合計額は、給与所得控除以外に控除される金額の合計が記載されています。給与所得控除後の金額から、所得控除の額の合計額を差し引いた所得に対して、所得税や住民税などが課税される仕組みです。源泉徴収税額は、1年間に納めたみなし所得税が記載されています。この税額と先の所得から算出した所得税との差があれば、12月の給与支給時に差額分が還付または徴収されます。
- 源泉徴収票はどのような場合に必要なのでしょうか。ここでは、源泉徴収票が必要となるケースを解説します。
- 確定申告をするケース
確定申告をする場合には源泉徴収票が必要です。アルバイトが確定申告をする場合は次のようなケースが考えられます。
・ダブルワークやフリーランスの副収入が20万円以上ある場合
・払いすぎた所得税の還付を受ける場合
・1年の途中でアルバイトを辞めたが、年間収入が103万円以上の場合
上記のようなケースであれば、確定申告をしなければならないため、源泉徴収票が必要です。確定申告に不安を感じる人は、下記の記事で詳しく解説していますので参照してください。
確定申告についての記事はこちら
- 1年の途中で転職したケース
アルバイトを辞めて、同じ年の途中に就職した場合には源泉徴収票が必要です。アルバイトを含む給与所得者の転職先は、年末調整のときに前職の源泉徴収額もあわせて処理しなければなりません。したがって、アルバイトであっても前職の企業から受け取った源泉徴収票は、転職先に提出する必要があります。
なお、転職先との労働契約が、業務委託契約や業務請負契約の場合は源泉徴収票が発行されません。業務委託契約や業務請負契約の場合、フリーランスや個人事業主として契約するため、所得税の源泉徴収制度の対象外です。しかし、職種によって源泉徴収された場合は、支払調書が発行されます。確定申告時に源泉徴収額を確認するために必要です。
- 収入証明が必要な場合
源泉徴収票は、収入証明ができる書類です。アルバイトであっても、収入証明が必要となるケースがあります。たとえば、クレジットカードの申請やローンの審査、賃貸住宅を借りる際に提出を求められます。受け取った源泉徴収票を保管していれば、いつでも収入証明として利用できるため保管しておきましょう。
- 企業のなかには、法律を遵守せずに源泉徴収票を発行しないケースもあります。ここでは、源泉徴収票を受け取れなかった場合の対処法を解説します。
- 勤め先に発行を依頼
勤め先企業が、源泉徴収票を発行していない場合は、まずその企業に発行するように依頼しましょう。上司や管理職のほか、該当部署に直接伝えると対応してもらえます。該当部署は、主に経理部や人事部などですが、企業によって異なるため確認が必要です。単純なミスで、本人の源泉徴収票が発行されていなければ、早急に発行してくれるでしょう。また、自分のミスによって、紛失したり処分してしまったりした場合でも再発行を依頼すれば、源泉徴収票を再度受け取れます。
- 勤め先が発行しない場合
勤め先企業のなかには、源泉徴収票の発行依頼に応じてくれないケースがあります。この場合は、住民票がある市町村の税務署に、源泉徴収票不交付の届出書を提出しましょう。その際には、1年間(1月~12月)の給与明細を添付することで、スムーズに源泉徴収票が発行されるはずです。
企業は源泉徴収票を必ず発行しなければならないことが、所得税法181条から223条までの所得税源泉徴収制度で定められています。源泉徴収票不交付の届出書を提出することにより、税務署が企業に指導するため、企業は源泉徴収票を発行し交付しなければなりません。確定申告に必要な場合は、早めに届け出るようにしましょう。
参照:国税庁 第181条から第223条まで(源泉徴収)共通関係
- 源泉徴収票は雇用形態を問わず、すべての給与所得者に発行される書類です。自分の大切な個人情報が記載されており、年収などもひと目で分かる重要な書類であるため大切に保管しましょう。発行されるタイミングは、一般的に1年の収入が確定する年末調整時の12月末です。
ただし、企業によっては翌年1月となる場合もあるため、源泉徴収票が受け取れる時期を確認しておくとよいでしょう。このタイミングで発行されない場合は、上司や該当部署などに問い合わせ、発行を依頼します。発行されない場合は、できるだけ早く源泉徴収票不交付の届出書を提出し、源泉徴収票を受け取るようにすることが大切です。
- 源泉徴収票は、給与所得者であれば、どのような雇用形態であっても受け取れることが法律で定められています。したがって、アルバイトも源泉徴収票が交付される対象です。源泉徴収票は、重要書類であるため必ず受け取り、大切に保管しましょう。源泉徴収票は、1社につき1枚であるため、ダブルワークでは2枚を受け取ることになります。
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