ふるさと納税はパートをしていてもできる! メリットを受けられる年収は?
- 収入を増やそうとシフトを増やしたり、副業を始めたりするパートは少なくありません。収入が増えれば、納める税金も増えるため、ふるさと納税をしたほうがいいのではないかと思う人もいるのではないでしょうか。
本記事では、パートがふるさと納税のメリットを受けられる年収や注意点などを解説します。パートでふるさと納税に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
- ふるさと納税の本来の目的は、地方自治体への寄付です。したがって、収入や職業に関係なくふるさと納税ができるため、パートの人も自由に利用できます。無収入の人でもふるさと納税をすることは可能ですが、控除はないので注意が必要です。
また、収入がある人でも、控除限度額を超える部分は純粋な寄付となります。その控除限度額は、年収や家族構成などに応じて決まる仕組みです(詳細は後述)。
ふるさと納税で控除を受けるためには、控除を受けられる控除限度額を算出してから、寄付金額を決めるようにしましょう。控除限度額が分かれば、メリットを受けられるかどうかも分かります。
- 扶養控除内のパートでもふるさと納税はできるが注意が必要
ふるさと納税は、扶養控除内のパートでも利用可能です。ただし、ふるさと納税でメリットを受けられるのは、税金を納めている人になります。
扶養内であり、所得税や住民税が非課税になっている場合は、控除すべき税金がありません。ふるさと納税は、全額が純粋な寄付となります。返礼品にも割高感があるため、メリットは受けられないでしょう。
- ふるさと納税が人気な理由は、さまざまなメリットがあるからです。ここでは、代表的なメリットを3つ紹介します。
- 寄付をすれば控除がある
ふるさと納税は、年収などの条件によって控除限度額があります。控除限度額以内であれば、自己負担金(2,000円)を除いた全額分を寄付金控除できるのが、大きなメリットです。
控除限度額を超えたふるさと納税は、全額が寄付となりますが、本来の目的に沿っているといえるでしょう。
また、給与所得者以外は、税金の控除を受けるために、原則として確定申告が必要となります。要件を満たせば、ワンストップ特例制度(詳細は後述)を利用することで確定申告は不要です。
- 返礼品があり選択もできる
ふるさと納税で寄付をすれば、寄付した自治体から特産品などの返礼品がもらえることも大きなメリットです。地方自治体は、寄付のお礼として寄付金額の3割以内に相当する返礼品を用意しているケースがほとんどです。
ふるさと納税で、返礼品を楽しみにしながら、地方自治体を応援する人もいます。返礼品のなかには、市場に出回りにくい貴重な品もあるため、探すことも楽しみの1つです。
- 自治体を応援できる
ふるさと納税を活用すれば、自分が生まれた土地や育った地区、好きな場所などを応援できます。地方自治体のなかには、過疎化や高齢化の加速などの理由で、財政がひっ迫しているケースが少なくありません。
また、災害復興を支援する目的で、ふるさと納税を利用することは、復興に役立つ有効な手段といえるでしょう。応援したい分野に絞ってふるさと納税をすることも可能なため、地方自治体という枠を超えての応援もできます。ただし住民票がある自治体への寄付する場合、返礼品は受け取れません。
- ふるさと納税は、年収などの要素によって損をするケースがあります。ここでは、ふるさと納税のメリットが見込めるかを年収別に解説します。
- 年収103万円以上200万円以下のケース
年収103万円以上200万円以下の場合、メリットを受けられる可能性は低くなります。年収が103万円を超えると所得税が課税されますが、控除額は多いとはいえません。130万円を超えると納税額を控除できますが、確定申告などの手間を考慮すればメリットは微々たるものになります。
分かりやすくするために、控除限度額を7,000円とした場合をシミュレーションしましょう。限度額いっぱいの7,000円を寄付すれば、自己負担分の2,000円を引いた5,000円が控除対象です。返礼品は、寄付金額の3割であるため2,100円相当の返礼品を受け取れます。しかし、2,100円の返礼品には、魅力的なものが少ないのが現状です。
また、確定申告などの手間を鑑みると、メリットがあるとはいえません。
- 年収200万円以上のケース
パートの年収が200万円以上であれば、ふるさと納税で一定のメリットが見込めるかもしれません。まずは、ふるさと納税の控除限度額を知ることが大切です。7,000円よりも高ければメリットが大いにあるといえるでしょう。
しかし、年収が200万円以上でも、控除限度額が7,000円よりも低ければメリットを受けられないでしょう。控除限度額は、年収以外にも、家族構成や年齢によって異なります。次項で、控除限度額を調べる方法を解説します。
- ふるさと納税の控除限度額を調べる方法は、源泉徴収票をもとに算出するか、ふるさと納税サイトでシミュレーションするといった2つの方法が挙げられます。源泉徴収票から計算する場合は、前年の源泉徴収票を見ながら試算します。ただし、難しい計算であるため、税理の知識が豊かでないのであれば、自分で計算するのは避けたほうが無難です。
ふるさと納税サイトが無料で提供しているシミュレーション機能を使えば、だれでも簡単に控除限度額を調べられます。
- 夫婦の年収を合算してふるさと納税をすることはできないため、控除を受けたい人の名義で申し込むようにしましょう。その他にも注意点があるため、以下で解説します。
- 控除限度額を確認する
ふるさと納税は寄付の前に、控除限度額を確認することが重要です。控除限度額を超えるとメリットが減少してしまうためです。
例えば、控除限度額が2万円の人が4万円寄付した場合は、2万円が控除対象外の純粋な寄付となります。ただし、返礼品は寄付額の3割までであることに変わりはありません。所得税や住民税の控除を求めるのであれば、ふるさと納税を行う前に限度額を把握するようにしましょう。
地方自治体への応援や出身地を盛り上げるなど、寄付そのものが主な目的である場合は、限度額を気にする必要はありません。
- 住民税の控除されるのは翌年以降
ふるさと納税の控除額は、所得税であれば還付金であり、住民税は税額控除として還元されます。所得税の還付金は、ふるさと納税をした翌年の4月~5月に指定口座に振り込まれます。住民税は、所得申告の翌年6月から年度分の納付が始まるため、年内に納める住民税は減額されず翌年以降に減額される仕組みです。このように仕組みが所得税よりも複雑で、長期に亘るため注意しましょう。
- 得か損かを見極める
ふるさと納税は、メリットの多いお得な寄付金制度です。ただし、年収や控除限度額によっては損をするケースもあります。
前述した控除限度額7,000円を例にすれば、7,000円よりも控除限度額が大きくなれば、得する金額も増えるでしょう。ただし、現実的に考えれば控除限度額が1万円を超えなければ、メリットがあるとはいえません。
また、確定申告などの労力を考慮することも、損か得かの判断基準になるでしょう。
- ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税の申請にかかる書類が少なく、確定申告をしなくても、ふるさと納税で控除を受けられる制度です。手続きは簡略化されますが、税金の控除は住民税からのみとなります。
この制度を利用できるのは、給与所得者などで確定申告が不要であり、1年間のふるさと納税先が5つ以内の人です。個人事業主・フリーランス(所得が48万円以上)、給与以外の所得が20万円以上ある場合などは、確定申告が必要であるため利用できません。
もし、誤って利用すれば、申請がキャンセルされて、控除を受けられない場合があるので注意しましょう。
- ふるさと納税は、寄付が前提の制度であるため、どのような人でも利用できます。パートでも利用できますが、税金の控除を受けようとするのであれば、控除限度額を調べてから利用しましょう。控除限度額が低ければ、メリットを受けることが難しいからです。ただし、控除が受けられなくても、寄付金額の3割を上限とした返礼品は受け取ることは可能です。
ふるさと納税は、パートの人でも年収に応じてメリットがあります。もし、年収を増やそうと考えているパートであれば、シフトワークスの利用を検討してみてください。時間やシフトから仕事探しができるので、空いた時間でできる仕事を見つけられるでしょう。