退職金はアルバイトやパートでも給付されるのか解説|確認する方法や給付条件とは

  • 退職金とは、退職に伴い会社から支給される金銭です。正社員や契約社員といった立場の人は受け取れることが一般的ですが、アルバイトでも退職金を支給される場合があります。

    この記事では、現在の職場で退職金を受け取れるか確認する方法や、退職金をもらえる職場を探す方法について解説します。退職金の支給条件についても解説するので、参考にしてください。

アルバイトでも退職金はもらえるのか

  • アルバイトにおける退職金の有無について解説します。具体的な事例と詳細は次のとおりです。
  • 退職金が支給される事例はごく稀である
    退職金制度を導入している会社であれば、アルバイトでも退職金をもらえる可能性はあります。しかし、アルバイトへの退職金の支給は一般的ではなく事例としては稀です。また、退職金制度を導入していても、アルバイトへの退職金の支給額は少額である場合がほとんどです。アルバイトでも退職金をもらいたければ、勤務先を決める際に就業規約を確認しましょう。
  • アルバイトやパートへの退職金支給は今後増える可能性がある
    アルバイトとして雇用されると、パートタイム・有期雇用労働法が適用されます。職務内容が正社員と同様である場合は、アルバイト・パートといった立場を理由に待遇の差を設けたり、待遇の説明が不十分だったりすることが禁止されます。

    そのため、正社員を対象とする退職金制度を導入している会社においては、アルバイトやパートも退職金の支給対象です。しかし、正社員と同様の条件で勤務していなかったり、就業規約にアルバイトやパートは例外と記載されていたりすると対象外となります。

退職金制度について解説

  • ここからは、退職金制度の詳細について解説します。また、退職金の種類についても解説するので、参考にしてください。
  • 退職金制度とはなにか
    退職金制度は、勤務先を退職する際に一定の金銭が支給される制度です。退職手当や退職慰労金と呼ばれる場合もあります。退職金に関する明確なルールはありません。そのため、勤務先によって金額の計算方法や支給基準は異なります。

    基本的には、自分の都合で退職するよりも、定年退職や会社の都合で退職する場合の方が給付額は高い傾向にあります。なお、対象者の勤務年数や基本給のほか、業績なども考慮されるため金額は一定ではありません。
  • 退職金は大きく分けて2つの種類がある
    退職金の種類は、基本的に退職一時金と企業年金の2つです。一般的に退職金といわれるものは退職一時金であり、退職時に一括で支給されます。企業年金は、退職後の定められた期間中や、終身にかけて少額ずつ支給されます。なお、退職一時金と企業年金を組み合わせた場合も、分類としては退職金です。

退職金制度の仕組みについて解説

  • 退職金制度は、企業が一定の仕組みを作って運用しています。ここからは、退職金制度の詳細な仕組みについて解説します。
  • 退職金を支給するかは勤務先次第
    退職金は必ず支給されるわけではありません。なぜなら、退職金制度を導入するかどうかは会社の任意のためです。また、退職金制度を導入している場合でも、支給条件として最低勤続年数を設けていることが一般的です。
  • 法律で定められた制度ではない
    退職金制度は法律で定められた制度ではないため、導入は必須ではありません。そのため、会社が退職金制度を設けていないなら、支給しなくても問題ありません。しかし、退職金制度を導入している場合は支払い義務が生じます。なお、退職金の額に関する決まりや基準はなく、会社側が自由に設定可能です。

アルバイトに退職金が給付される条件

  • アルバイトに退職金が給付されるには、いくつかの条件があります。ここからは、具体的な条件とそれぞれの詳細を解説します。
  • 勤続年数が長い
    アルバイトだとしても、勤続年数が長いと退職金の支給対象になる場合があります。退職金制度における支給対象として、定められた勤続年数を超える可能性があるためです。

    退職金制度の対象となる期間は、勤続年数が3年以上と定めている会社が一般的です。しかし、明確な決まりはないため、5年以上や10年以上の場合もあるなど、勤務先によって基準は異なります。
  • 従業員と同様の労働条件である
    職務や責任の範囲が広かったり、勤務時間が長かったりすると、退職金を支給される対象になり得ます。なぜなら、従業員と同様の労働条件で働いている可能性があるからです。

    退職金制度を導入している会社では、正社員と同様の労働条件のアルバイトに対して、退職金の支給を拒否できません。拒否した場合は労働基準法違反になるからです。実際に拒否された場合は、人事担当者や労働基準監督署に相談しましょう。
  • 勤務先で退職金制度が導入されている
    勤務先に退職金制度が導入されていなければ、アルバイトや正社員といった立場に関わらず、一律で退職金は支給されません。しかし、退職金制度があればアルバイトでも退職金をもらえる可能性があります。

    まず、退職金制度が導入されている会社であることが前提です。そして、アルバイトが支給対象にならない例外がなく、定められた条件を満たせば退職金が支給されます。

勤務先で退職金は給付されるか確認する方法

  • 勤務先で退職金が給付されるのか、確認する方法はいくつかあります。以下は具体的な3つの方法と、それぞれの詳細です。
  • 方法1.労働条件通知書
    労働条件通知書は、雇用主がアルバイトを雇い入れるタイミングで交付する書類です。労働条件通知書には、給与や労働時間、退職手当などの労働条件が明示されています。

    なお、労働条件通知書の交付は法律によって義務付けられています。交付されていない場合は、勤務先に請求しましょう。また、書面に退職手当について記載がなかったら担当者に確認しましょう。
  • 方法2.就業規則
    10人以上の従業員がいる会社では、労働条件を定めた就業規則の作成が義務付けられています。就業規則には、退職金に関する記載がされている場合があります。正社員とは別でアルバイト用の就業規則を作成している会社もあるので、自身の雇用形態に合った就業規則で確認しましょう。

    退職に関する規定がなかったり、給与規定の欄に退職金規定が見当たらなかったりする場合は、ほかの従業員に聞いて対応しましょう。
  • 方法3.勤務先へ確認
    労働条件通知書や就業規則で、退職金に関する規定が確認できない可能性もあります。その場合は雇用主に詳細を聞いてみましょう。

    雇用主は、雇用者に対して労働内容を説明する義務があるため、基本的には労働に関する質問に回答してもらえます。雇用主に確認する機会が作りづらければ、一旦上司やほかの従業員に聞くことがおすすめです。

アルバイトの退職金の目安

  • アルバイトに支給される退職金は、企業や対象者によって金額が異なります。しかし、勤続年数が長い場合でも、退職金として100万円を超える額が支給される状況は少ない傾向です。

    勤務先が中小企業なら、中小企業退職金共済に加入していることもあります。中小企業退職金共済とは、会社が月に数千円の掛け金で退職金を積み立てる制度です。例えば、掛け金を月2,000円で積み立てていたアルバイトが、勤続10年目で退職した場合、退職金は約240,000円です。

アルバイトの退職金に税金はかかるのか

  • アルバイトだとしても、退職金が発生した際は税金が課せられます。しかし、高額でなければ退職所得控除が適用されます。退職所得控除とは、勤続年数を基に算出された額を上回らない限り、税金がかからない控除です。そのため、アルバイトの退職金に対する税金は、支給金額に影響しない場合がほとんどです。

アルバイトの退職金が支給される時期

  • 退職金が支給される時期は、退職日から1~2か月後が目安となります。退職する月の給料とともに、退職金が振り込まれることが一般的です。会社によっては支給日を個別に設定していたり、自身で請求する必要があったりします。なお、退職金が支給される時期については、アルバイトに限らずどの雇用形態でも変わりません。

まとめ

  • アルバイトにおける退職金の有無や退職金制度の概要、アルバイトに退職金が給付される条件や課せられる税金について解説してきました。アルバイトへの退職金の支給は義務ではありません。そのため、退職金が支給されるかどうかは、勤務先や会社の方針によって左右されます。

    退職金の有無や規定については、実際に働き始める前に確認することも可能なので、アルバイト探しの基準にすることもおすすめです。シフトワークスでは、時間やシフトからも仕事探しができます。アルバイトを探している人は、ぜひシフトワークスをご利用ください。