バイトの検便提出は義務?実施理由や頻度、検便があるバイト・ないバイトの違いも解説
- 飲食店でアルバイトをする場合、基本的に検便が必要になります。しかし、検便に抵抗がある人や、検便の提出を求められてどうすべきか悩んでいる人も、少なくありません。
この記事では、アルバイト先に検便を提出する義務の有無や、実施理由などについて解説します。検便があるアルバイトと検便がないアルバイトの見分け方についても解説するため、参考にしてください。
- 検便の提出は、法律で定められているわけではないため、アルバイト先に検便を提出する義務はありません。しかし、厚生労働省のガイドラインにより、保健所から指示があった場合には検便の実施が求められます。
また、保健所の指導内容は地域によって異なります。アルバイト先がどのような対応をするかは、地域の保健所のルールを確認しましょう。なお、検便の実施はあくまで保健所の指示であり、こちらも法的な拘束力はありません。
しかし、検便を実施しないと大きな問題に発展しかねません。たとえば、保菌者であることに気付かず飲食店のアルバイトとして働いてしまい、食中毒などの感染症を引き起こすなどが挙げられます。義務や法的な拘束力がなくても、検便が実施される際は協力しましょう。
- 検便の頻度
検便は、保健所の指示に基づいて実施されます。しかし、検便の回数やルールは、各事業所が決めることが可能です。そのため、検便の頻度は事業者によって異なります。たとえば、毎月1回以上行われることもあれば、半年や年に1回だけ実施する場合もあるでしょう。
ルールについても統一されたものはなく、保健所の指導に基づいて各企業が独自に対応している状態です。検便の頻度について知りたければ、上司や店長などの責任者に確認しましょう。
- アルバイトで検便を実施する理由は、公衆衛生を守るためです。具体的には、感染症の早期発見と対策により、感染症の拡大を防ぐために行われます。たとえば、ウイルスや細菌の保菌者がアルバイトとして調理や接客をした場合、他のスタッフや顧客に感染症をうつしてしまう可能性があります。
他にも、幼稚園や保育所といった場所でも検便は重要です。なぜなら、子どもが感染症にかかりやすい環境であり、子どもたちの安全を確保するためには、従業員の健康管理が求められるためです。以上のことから分かるように、アルバイトの検便は形式的な手続きではなく、公衆衛生を守るために重要な措置といえるでしょう。
- 検便で陽性が出た場合は、適切な対応が求められます。以下では、具体的な対応とそれぞれの詳細について解説します。
- 医師の診察が必要になる可能性がある
検便で陽性が出ると、基本的に医師の診察が必要です。ウイルスや細菌の種類によっては、症状が発生していなくても医師の診察だけでなく、治療や保健所への報告が必要になる場合があります。また、症状が発生していなくても抗菌薬が投与されることもあります。抗菌薬の投与が終了したら再検査を行い、検査結果が陰性であることの確認が必須です。
- 職種によっては出勤停止になる可能性もある
職種によっては、検便で陽性が出ると出勤停止になる可能性があるため、注意が必要です。出勤停止が発生する代表的な職種には、飲食店や食品工場、介護施設や保育所などが挙げられます。検便で陽性が出た場合、医療機関から抗生剤が処方されることが一般的です。抗生剤の服用が終了したら、再検査を行います。
再検査で陰性となったら、職場復帰が可能です。なお、陰性判定が出ても1回では職場復帰とせず、3回連続で陰性と判定されたら職場復帰とする場合もあります。
- 中には、検便があるバイトは極力避けたいと思う人もいるでしょう。以下では、検便があるバイトと検便がないバイトの見分け方について解説します。
- 検便があるバイトの特徴
検便が必要なアルバイトの特徴として、衛生面での注意が求められることが挙げられます。検便を実施する具体的なアルバイトは、以下の通りです。
・飲食店
・病院
・介護施設
・保育所
いずれも、従業員が健康であることが求められる職種です。たとえば、食品を取り扱う職種は、食品衛生法に基づき、従業員の健康状態を確認するために検便が行われます。また、乳幼児や高齢者が多い施設では、感染症のリスクを抑えるために、スタッフの検便が求められます。
- 検便がないバイトの特徴
検便が必要ないアルバイトの特徴として挙げられるのは、食品の取り扱いや衛生管理が含まれないことです。検便を実施しない具体的なアルバイトの例として、以下が挙げられます。
- オフィスワーク
- 書店
- アパレル
- IT関連
いずれの職種も直接的な顧客への健康リスクが少なく、検便の重要性が低い傾向にあります。また、公共の場で仕事をしない職種でも、検便がないことがほとんどです。具体的には、フリーランスや在宅ワークなどが該当します。
- 検便がない飲食店を見抜くことは難しい
食品を取り扱う業務が主な飲食店では、基本的に検便が実施されると考えましょう。特に、大型チェーンの飲食店では、検便が義務化されていると言われています。なぜなら、一店舗でも食中毒が発生すると、他の店舗にも影響が出るためです。
しかし、検便自体には法的な義務や拘束力がありません。実施や管理にかかるコストの観点から、個人が運営している飲食店などでは、検便を実施していない場合もあります。検便の有無について求人段階で見抜くことは難しいため、面接などの場で責任者に直接確認することが一般的です。
- バイトの検便には注意すべき事項があります。ここからは、よくある質問とそれぞれの回答について解説します。
- 検便の提出日に便が出ない場合はどうする?
普段から便秘気味の場合は、検便に備えて準備をしておくことが大切です。検便のための便は、基本的に提出する日に採取します。ただし、採取から1~2日以内のものを提出しても問題ありません。
便秘によって提出日に便が出ない可能性がある場合は、提出日の2~3日前の便を採取して保存しておくことが推奨されます。なお、検便キットに保存方法が記されている場合は、その記載に従って適切に保存することが大切です。なぜなら、新鮮な状態を維持して検査の精度を保つためです。
- 検便に備えて食事制限をする必要はある?
検便に備えて食事制限をする必要はありません。検便は便中に異常がないか確認するための検査なので、普段と同じ食生活であることが推奨されます。
しかし、検便に影響を与える可能性がある食品や薬については、摂取が制限されることがあります。具体的には、鉄分を含むサプリメントや特定の痛み止め薬などです。検便前に摂取すべきではない食品や薬についての情報は、検便キットに同封される説明書に記載されています。検便を実施する際には、あらかじめ確認することが大切です。
- バイト先に検便を提出し忘れた場合はどうする?
バイト先に検便を提出し忘れた場合は、事情を説明しましょう。検便を提出し忘れたことをバイト先に確認してもらったら、指示に従って適切な対応を取りましょう。しかし、検便を提出し忘れると手間がかかるだけでなく、バイト先にも迷惑がかかる可能性があります。あらかじめ提出日を確認し、提出し忘れないように注意しましょう。
- 生理中でも検便はできる?
生理中でも、検便検査が腸内細菌検査であれば問題ありません。ただし、便潜血検査の場合は注意が必要です。なぜなら、生理の血液が混ざると検査結果に影響が出るからです。便潜血検査では便に血液が混ざっているかを検査します。しかし、便から血液が検出されても、それが消化器系からの出血か生理が原因の血液かを判断できません。
そのため、生理中に検便検査が求められる場合は、バイト先や医療機関に相談して検査を延期してもらいましょう。
- 検便は義務ではありませんが、公衆衛生の観点から見て重要な検査です。特に、食品を取り扱う仕事や子どもや高齢者と接する職種では、その重要性がより高まります。しかし、検便には手間がかかるほか、実施に抵抗がある人も少なくありません。検便に抵抗がある人は、検便を必要としない職種で働くことをおすすめします。
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