パートでも休職は可能?認められるケースやもらえる手当を解説

  • パートで働いていても、事情があって休職したいと考えることがあるかもしれません。しかしパートの立場で休職をできるのか、疑問に思っている人もいるでしょう。

    この記事では、パートでも休職できるのかどうかを解説します。また、パートで休職中に受け取れる手当や、解雇の心配がないかどうかにも触れるので、ぜひ参考にしてください。

休職とは?

  • そもそも休職とはどのような状態のことか、まずは休職の定義について解説します。
  • 休職の意味
    休職とは、自分の病気やケガ、家族の看護や介護などを理由に、仕事を一定期間にわたって休むことです。休職することによって、やむを得ない事情があるときも仕事を辞めることなく、プライベートとの両立が図れます。

    休職というと正規の従業員が利用できるイメージが強く、パート従業員が利用できるかどうかで悩んでいる人も多いかもしれませんが、これについては後述します。
  • 休職制度は勤務先による
    休職制度が設けられているかどうか、どのような休職制度があるかは、勤務先によって異なります。なぜなら、休職に関して雇用主に対する法的な義務が定められていないためです。

    雇用主はそれぞれ、自社に必要と考える範囲内での休職制度を設定しています。休職制度は福利厚生の一環といえますが、退職への猶予期間という側面も持っています。

パートでも休職できる?

  • パートでも休職は可能なのでしょうか。ここでは、パートでも休職できるかどうかを解説します。
  • パートでも休職できる場合がある
    正規の従業員だけでなく、パートであっても休職は可能です。しかし、前述のとおり、休職制度については法的に定められているわけではないため、パートでも休職できるかどうかは勤務先の規定によります。パートの休職制度があるかは、パートタイマー用の就業規則を確認しましょう。
  • 休職中の給与について
    休職中の給与は原則として無給です。有給休暇ではないことを心に留めておきましょう。一方、休職中でも保険料は支払う必要があることに注意が必要です。勤務によって給与が発生する間は、保険料は天引きされますが、休職中は勤務先に振り込みなどで渡す必要があります。入金方法は勤務先へ確認しましょう。

パートで休職するケース

  • 実際にパートで休職するケースには、以下のようなものがあります。
  • 妊娠・出産による休職
    パート社員が妊娠・出産を理由に休職するケースは少なくありません。産休(産前産後休業)には通常、産前休暇と産後休暇とがあります。通常の休職とは違い、母体保護の観点からいずれも労働基準法で定められており、パートにも適用されます。

    出産予定日の6週間前から出産日までは任意ですが、産後の休職は労働基準法によって義務付けられており、産後8週間以内は休職が必須です。その期間外で安静が必要になった場合などは、別途休職することもできます。
  • 育児を理由とした休職
    家庭に小さい子どもがいるケースでは、育児を理由に休職できます。育児休暇の取得条件は、子どもが1歳に満たないことです。産後8週間までは産後休暇の扱いですが、8週間目以降は育休(育児休業)の扱いとなります。ただし、育休については、雇用期間や労働契約の内容も考慮されるため、それぞれ会社へ確認が必要です。
  • 介護を理由とした休職
    要介護状態の家族がいる場合は、介護休業を利用することが可能です。ただし、介護休業の適用については、雇用期間や労働契約の内容も考慮されます。介護休業は通算93日まで取得可能と法的に定められていますが、1人の家族に対して3回までしか取得できないこと、日数も通算であることに注意が必要です。
  • 私的理由による休職
    前述の妊娠や出産、育児、介護以外を理由とする休職は、私的理由による休職として扱われます。現状、私的理由による休職を保障する法的な制度はないため、上記以外の私的理由による休職を認めるかどうかは勤務先によって異なります。

    したがって、私的な理由で休職を考える場合は、就業規則を確認したうえで上司に相談するとよいでしょう。

パートで休職中に受け取れる手当

  • パートでも、休職中に受け取れる手当があります。ここでは、パートが休職にあたって受け取れる手当についてまとめました。
  • 出産手当金
    出産で休業する場合は、出産手当金が受け取れる場合があります。ただし、出産手当金を受け取るためには、休職をする人自身が勤務先の社会保険に加入していなければなりません。つまり配偶者の扶養内などのケースでは受け取れないことに注意しましょう。

    パートの場合、出産手当金は直近12か月の平均月収をベースに、3分の2の賃金が支払われることになっています。
  • 育児休業給付金
    育児によって休職する際は、育児休業給付金を受け取れる場合があります。ただし、育児休業給付金を取得するには、雇用保険に一定の期間加入している必要があるため、該当しない人もいるでしょう。育児休業給付金として、育休開始から6か月は賃金の約67%、以降は約50%が支払われます。
  • 介護休業給付金
    介護によって休職する場合は、介護休業給付金を受け取れる場合があります。ただし、介護休業給付金についても、受給を受けるためには雇用保険に一定の期間加入している必要があります。なお、介護休業給付金では、休業中に賃金の約67%が支払われます。
  • 傷病手当金
    傷病手当金とは、病気やケガを理由に休職する場合に受け取れる手当です。傷病手当金は健康保険から支払われます。したがって傷病手当金に関しては、上司ではなく、加入している健康保険組合のホームページで確認するとよいでしょう。

休職によってパートを解雇される?

  • 「休職によってパートを解雇されるのではないか」と心配される人もいるかもしれません。ここでは、休職でパートを解雇されるケースと、解雇されないケースを解説します。
  • 解雇される場合
    就業規則のなかで、休職が認められず解雇となる旨の記載があれば、休職の申し出によって解雇されるでしょう。たとえば、病気やケガで働けない場合は解雇する旨が規定されているケースもあります。解雇されるかどうかは休職の理由次第という企業もあるので、休職を考える際は、まずは就業規則を確認しましょう。
  • 解雇されない場合
    就業規則に規定がなくても、業務上の病気やケガによる治療のための休業、および休業後の30日間は原則として解雇されません。また、復帰が見込まれる場合や配置転換が可能な場合も、企業側に解雇が認められないケースです。

    このように、労働基準法では労働者を一方的に解雇することを制限しています。基本的には、就業規則で休職による解雇について記載されていなければ、休職を理由に解雇されることはありません。
  • 解雇には解雇予告手当が必要
    従業員を解雇するためには、解雇予告手当が必要となります。解雇予告手当とは、解雇日まで30日以内にもかかわらず解雇を通告した場合に、企業側が従業員に支払わなければならないお金です。労働基準法では、解雇予告手当は30日分の平均賃金以上と決められています。このように、企業は従業員を簡単に解雇できない仕組みになっています。

休職期間が終わっても復職できない場合

  • 休職によって解雇されるリスクは高くないとはいえ、休職期間が終わっても復職できないと、解雇となる場合も少なくありません。法的に定められた休職以外に休職制度を設けている勤務先でも、期限が決められていることが一般的です。規定の内容は勤務先によって異なるため確認が必要です。

まとめ

  • 休職制度をパートが利用できるかどうかは、会社の規定によります。ただし、妊娠・出産、育児、介護、業務上の病気・ケガに関する休職は法律の定めがあり、それぞれ一定期間の休職が可能です。その他の私的な事情による休職は、どこまで認められているかを就業規定によって確認することをおすすめします。

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