パートでも健康診断は受けられる?受診の条件や注意点などを解説!
- 企業は福利厚生の一環として従業員に健康診断を実施しています。パートで働く人も、一定の条件を満たせば健康診断の受診が可能です。この記事では、パートで働く人が企業の健康診断を受ける条件とともに、受けられる健康診断の種類について解説します。具体的な受診方法や注意点についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
- パート従業員は、どのような場合に健康診断を受けられるのでしょうか。具体的な条件を解説します。
- 受けることが可能となる条件
1週間の所定労働時間が正社員の3/4に満たないものの、1/2以上であれば、企業に実施義務がある健康診断の受診がパートでも可能です。この場合、パートの健康診断の受診は義務にはなりませんが、受診が推奨されます。健康診断は病気の早期発見にもつながるため、積極的に受診しましょう。
※参考:パートタイム労働者の健康診断を実施しましょう!!
- 条件を満たす場合、パートとしてどのような健康診断を受けられるのでしょうか。以下で詳しく解説します。
- <検査項目>
雇入れ時の健康診断の検査項目をまとめると、以下のとおりです。
・既往歴の確認
・業務歴の調査
・自覚症状・他覚症状の有無のチェック
・身体計測(身長、体重、腹囲)
・視力検査
・聴力検査
・胸部X線(レントゲン)検査
・血圧測定
・血液検査
・尿検査
・心電図
血液検査は、貧血、肝機能、血中脂質、血糖の検査のために行われます。貧血は血色素量、赤血球数、肝機能はGOT(AST)、GPT(ALT)、γ-GTP、血中脂質はLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の数値をもとに検査します。また、尿検査で調べる項目は、尿糖と尿蛋白です。
※参考:労働安全衛生法に基づく健康診断の概要
- <検査項目>
定期健康診断の検査項目をまとめると、以下のとおりです。
・既往歴の確認
・業務歴の調査
・自覚症状・他覚症状の有無のチェック
・身体計測(身長、体重、腹囲)
・視力検査
・聴力検査
・胸部X線(レントゲン)検査
・血圧測定
・血液検査
・尿検査
・心電図
血液検査は、貧血、肝機能、血中脂質、血糖の検査のために行われ、具体的な項目は雇入れ時の健康診断について解説したとおりとなっています。また、尿検査で調べる項目も同様です。
ただし、医師が必要ないと認める項目については、検査を省略できる場合もあります。
※参考:労働安全衛生法に基づく健康診断の概要
- 状況によっては、他の健康診断も受けられる場合があります。ここでは、その条件について解説します。
- 有害業務に従事している
有害業務に従事する場合、特殊健康診断を受診できます。有害業務とは、鉛、放射線、特定の化学物質などの取り扱いにより、労働者の健康に有害な影響が生じるリスクがある業務です。有害業務に該当するなら、雇入れ時の健康診断や定期健康診断を受けるための条件を満たしていなくても受診可能です。特殊健康診断の頻度について規定はなく、それぞれの業務に応じて実施します。
※参考:健康診断を行うべき有害な業務
「特殊健康診断」厚生労働省
- 特定業務に従事している
特定業務に従事している場合も、健康診断の受診が可能です。特定業務には、高熱業務、寒冷業務、粉じん業務、深夜業などが該当します。特定業務に従事する人が健康診断を受けられる頻度は、半年に1回です。また、定期的な健康診断に加え、配置換えの際にも健康診断を受けられます。
※参考:労働安全衛生法に基づく健康診断の概要
- 企業に実施義務がある健康診断は、従業員に対して一斉に実施する場合と従業員が個別で受診する場合があります。健康診断の実施方法は企業から指定されるため、指示に従って受診しましょう。ただし、個別で受診する場合、自分で医療機関に連絡して予約する必要があります。早めに確認し、スムーズに受診できるようにしてください。
- パートが健康診断を受ける際は、どのような負担があるのでしょうか。以下で詳しく解説します。
- 基本的に受診料は企業が負担してくれる
基本的に、企業に実施義務がある健康診断の受診料は、企業が負担するケースが一般的です。ただし、企業に実施義務があるため費用も負担すべきだと考えられているに過ぎず、必ず企業が費用を負担しなければならないわけではありません。そのため、企業によっては、受診料を個人で負担するよう求めるパターンもあります。
※参考:「労働安全衛生法および同法施行令の施行について」
- 法定項目以外は自分で負担する
企業に実施義務がある健康診断を受ける際は、法定項目の検査が必須です。法定項目以外にも別の検査を受けたい場合は、オプション検査も選択できます。オプション検査の内容は、医療機関によっても異なります。たとえば、胃カメラ検査、大腸のカメラ検査、子宮がん検査、脳ドックなどです。オプション検査の費用については、自分で負担する必要があります。
※参考:労働安全衛生法に基づく定期健康診断関係資料
- パートが健康診断を受ける際は、気をつけたいこともあります。具体的な注意点について解説します。
- 健康診断中の時給が発生しない場合もある
企業に実施義務がある健康診断については、受診も業務とみなして給与を支払うべきとされています。ただし、あくまで推奨されているだけで、給与の支払いは義務ではありません。そのため、企業によっては、健康診断を受診している時間は給与が発生しない可能性もあります。
※参考:「労働安全衛生法および同法施行令の施行について」
- 義務になる条件を満たした場合は受診を断れない
すでに触れたとおり、1年以上の雇用が予定されており、1週間の所定労働時間が正社員の3/4以上なら、健康診断の受診が義務となっています。この場合、健康診断の受診は拒否できません。ただし、健康診断の実施時期や受診する医療機関などについては、相談により変更も可能です。
※参考:労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~
- 扶養の範囲内でも健康診断の対象になる
健康診断の受診についての判断基準は、雇用期間や所定労働時間です。そのため、扶養の範囲内で働いているとしても、条件を満たせば健康診断の対象になります。ただし、扶養の範囲内で働こうとすれば必然的に労働時間が短くなるため、健康診断の義務が発生しないケースがほとんどです。
- パートであっても、条件を満たせば企業に実施義務がある健康診断を受診できます。定期健康診断以外にも、雇入れ時の健康診断や例外的な健康診断などもあります。それぞれ条件を確認し、健康診断の受診が必要な場合は企業の指示に従って受診しましょう。
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