バイト・パートの有給はいくら?取得条件や計算方法を解説

  • 正社員や派遣社員と同様、バイトやパートでも条件を満たせば有給休暇の取得が可能です。この記事では、バイトは有給休暇でいくら受け取れるのか解説します。また、有給休暇の日数や取得方法などについても解説するため、ぜひ参考にしてください。


そもそも有給休暇とは


  • 有給休暇とは、賃金を受け取りながら取得できる休暇です。正式名称は「年次有給休暇」ですが、「有給休暇」という呼び名が一般的です。さらに略して「有休」「有給」「年休」などと呼ばれる場合もあります。

    一定の条件を満たす従業員には、有給休暇が毎年付与されます。有給休暇の対象となるのは正社員や派遣社員だけとは限りません。条件を満たしていれば、バイトでも有給休暇を取得できます。


バイトでも条件を満たせば有給休暇を取得できる


  • バイトが有給休暇を取得するには、2つの条件を満たしている必要があります。1つ目の条件は、継続的に勤務しており、半年以上が経過していることです。2つ目の条件は、契約で定めている所定労働日の8割以上を出勤していることです。

    ただし、取得できる有給休暇の日数や時間などは、契約によって異なります。有給休暇を取得する際は、個別の契約内容をよく確認しましょう。


  • 2019年4月から「労働者の有給休暇取得の義務化」がスタート
    2019年4月に労働基準法が改正され、労働者の有給休暇の取得が義務化されました。これにより、労働者は有給休暇を取得する義務があります。ただし、この義務の対象は、有給休暇として付与されている日数が年間10日以上の労働者のみです。

    条件に合致する従業員に対しては、最低でも年間5日以上の有給休暇を取得させなければなりません。年間5日以上の有給休暇を取得できなかった場合は違反とみなされ、勤め先に対して30万以下の罰金が科されます。


有給休暇の日数計算の方法を解説


  • 有給休暇の日数は、どのように計算するのでしょうか。ここでは、詳しい計算方法を解説します。


  • 週5日勤務or週30時間以上勤務している場合
    週5日以上勤務または年間217日以上勤務がある場合や、週30時間以上の勤務がある場合、勤務期間に応じて以下の日数の有給休暇が付与されます。



  • バイトとしてフルタイムで働いている人は、この条件に当てはまる可能性が高いです。勤務期間に応じて有給休暇が付与されるため、確認しましょう。


  • 勤務日数が週4日以下の場合
    バイトとしての勤務日数が週4日以下で年間48~216日までの場合、週30時間未満の場合は、勤務期間に応じて以下の日数の有給休暇が付与されます。



  • 学生バイトや短期バイトとして働いている人は、この条件に当てはまるでしょう。ただし、継続勤務年数が同じでも、週間労働日数または年間労働日数によって、付与される有給休暇の日数が異なるため注意が必要です。


  • Wワーク者の場合
    Wワークでバイトを掛け持ちしている場合、労働時間は通算できます。ただし、取得できる有給休暇の日数は各勤め先でそれぞれ計算します。勤め先によって有給休暇に関する細かいルールはそれぞれ異なるため、日数とともに確認しましょう。


バイトが有給休暇を取得したときの賃金はいくら?計算方法を解説


  • バイトが有給休暇を取得した場合、賃金はいくらになるのでしょうか。計算方法は3つあります。以下では、それぞれの計算方法の詳細について解説します。


  • 計算方法1:通常の賃金を元に算出する
    通常の賃金を元にする場合、「勤務時間×時給」で有給休暇中の賃金を算出します。所定労働時間が一定であれば、この方法で計算します。たとえば、時給1,500円で1日8時間働いているなら、有給休暇を取得した日に支払われる金額は「8時間×1,500円=1万2,000円」です。


  • 計算方法2:平均賃金を元に算出する
    過去3ヶ月分の平均賃金を元に計算する方法もあります。たとえば、シフト制により月ごとに労働時間がバラついている場合は、平均賃金を元にします。この平均賃金にはボーナスや臨時手当を含みません。また、早退や遅刻をした日は除きます。具体的な計算式を示すと「過去3ヶ月の賃金の合計額÷その期間の総日数」です。

    たとえば、時給1,500円で1日5時間、週3日勤務しているとしましょう。この場合、1ヶ月を4週間とすると、3ヶ月の合計勤務日数は「週3日✕4週間✕3ヶ月=36日」です。また、1日に得られる賃金は「時給1,500円✕5時間=7,500円」となります。過去3ヶ月の賃金の合計額は「7,500円✕36日=27万円」です。有給休暇で得られる賃金は「27万円÷36日=7,500円」だとわかります。


  • 計算方法3:標準報酬日額を元に算出する
    社会保険の標準報酬日額を元にして、有給休暇中の賃金を算出する方法もあります。標準報酬日額とは、健康保険の保険料を決める基準です。準報酬月額を30で割り、標準報酬日額を算出します。

    ただし、勤務先の健康保険に加入していなければ、この方法は利用できません。また、この方法で有給休暇の賃金を計算するには、労使協定を締結している必要があります。


バイトが有給休暇を取得する方法とは


  • バイトが有給休暇を取得するには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、有給休暇の取得方法について解説します。


  • 事前に取得希望日を伝える
    有給休暇を取得したいときは、事前に勤め先へ希望を伝える必要があります。有給休暇を取得する必要が生じた時点で、可能な限り早く相談することが大切です。早い時点で相談すれば、勤め先に迷惑をかけずに済む可能性も高くなります。具体的には、シフトの調整が終わって登録されるより前に伝えるべきです。

    また、有給休暇の申請方法は勤務先によってルールが定められています。正しい方法を確認し、着実に申請しましょう。


  • 取得理由は「私用」で問題ない
    有給休暇の取得理由は、勤め先へ伝える必要はありません。勤め先から聞かれた場合は「私用のため」と答えましょう。有給休暇は理由を問わず取得できる労働者の権利であるため、理由をしつこく聞かれたり難色を示されたりしても、法律上は問題なく取得できます。


バイトの有給休暇に関する注意点を解説


  • バイトが有給休暇を取得する際は、気をつけたいこともあります。ここでは、注意点について解説します。


  • 会社から時季変更権を行使される場合がある
    有給休暇は従業員の希望に応じて取得させる必要がありますが、状況によっては勤務先が時季変更権を行使できるケースもあります。時季変更権とは、やむを得ない事情がある場合、従業員が希望した有給休暇の取得時期を変更できる権利です。たとえば、勤め先の繁忙期には時季変更権を行使されやすく、有給休暇を取得できない可能性があります。

    時季変更権の行使にあたり有給休暇の取得理由を聞かれるパターンもあるため、可能な範囲で答えましょう。


  • 2年経過すると有給休暇の権利がなくなる
    有給休暇を取得できる期間は、付与されてから2年間です。有給休暇を付与された年度に使いきれなくても、翌年まで繰り越せる仕組みになっています。ただし、有給休暇を取得せずに2年が経過すると取得の権利がなくなるため、注意が必要です。

    有給休暇を付与されたら、消失する前に取得しましょう。付与された時点でいつ取得するか計画を立てておくべきです。


  • 基本的に退職時までに有給休暇を使い切る
    勤め先を退職する場合、退職日から逆算して有給休暇を使い切るように調整するケースが多いです。退職前に消化すればよいため、退職までの期間に余裕があるなら取得する日程を自由に設定しても構いません。

    退職時までに有給休暇を使い切れなかった場合、勤め先に買い取ってもらう方法もあります。代金は賞与として支払われます。ただし、退職予定がないなら、有給休暇の買い取りの依頼はできません。


  • 「有給休暇がない」と言われたときは人事部などに相談する
    有給休暇を取得できる条件は法律で決まっており、条件を満たしていれば取得可能です。有給休暇を取得できる条件を満たしているにもかかわらず、上司から「有給休暇がない」と言われたら、人事部へ相談しましょう。

    社内で解決できない場合は、労働基準監督署への相談が必要です。法律上の条件をクリアしていれば、バイトだからといって有給休暇の取得を拒否できるわけではありません。有給休暇の取得の拒否は違法にあたるため、毅然とした態度で対処する必要があります。


まとめ


  • バイトとして働いている場合も、条件を満たせば有給休暇の取得が認められます。法律で決まっているルールであるため、正社員でないからといって勤め先が有給休暇の取得を拒めば違法になります。条件を満たしているなら、勤め先に申請して有給休暇を取得しましょう。

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