アルバイトと業務委託の違いとは?それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説
- 近年、副業をする人が増加し、アルバイト以外にも業務委託の求人が多くあります。しかし、アルバイトと業務委託には、大きく違いがあることを知らない人も少なくありません。両者の違いを理解し、適切な働き方を選択することが大切です。
この記事では、アルバイトと業務委託の特徴やそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。ぜひ参考にしてください。
- 同じ職場で同じ業務に携わっている場合は、分かりにくいかもしれませんが、アルバイトと業務委託には、根本的な違いがあります。働き方だけでなく、労働基準法による保護や確定申告の有無などに違いがあることを知っておきましょう。次の表に、アルバイトと業務委託の特徴を簡単にまとめました。対比することで、分かりやすくなるため参考にしてください。
- アルバイトとは
アルバイトは、パートタイム労働者として区分されています。パートタイム労働者とは、短時間労働者のことであり、1週間の所定労働時間が正規雇用者よりも短い労働者です。給与は主に時給で計算されますが、日給で計算するケースもあります。要件を満たせば、社会保険や雇用保険への加入も可能です。
- 業務委託とは
業務委託は業務委託契約により、企業から委託された業務を遂行する働き方です。企業に雇用されるわけではないため、社会保険や雇用保険に加入できません。契約した業務を完遂することで、報酬が支払われる仕組みです。ただし、業務委託であっても、労働基準法上の労働者とみなされる場合もあります。主な業務委託の職種は、次のようになります。
・Webライター
・エンジニア
・Webデザイナー
・コンサルタント
・警備員
・配達員
さまざまな職種で業務委託が増えており、上記は一例です。
- 雇用契約について
アルバイトの雇用契約は、民法623条で定められています。業務内容や仕事の遂行、労働時間などは指示に従わなくてはなりません。業務委託は雇用契約に含まれませんが、業務遂行の前に業務委託契約を結ぶ必要があります。契約内容は、アルバイトと異なり、労働時間や労働環境などを定めないケースがほとんどです。
※参考:法制定の趣旨等|厚生労働省
- 社会保険について
アルバイトには、労働基準法が適用されます。一定の要件を満たせば、次の社会保険に加入しなければなりません。
・健康保険
・厚生年金保険
・雇用保険
・労災保険
アルバイトは事業者に雇用されているため、健康保険料の半分は企業が負担し、労働者の負担は減ります。業務委託の場合は、国民健康保険と国民年金保険に加入しなければなりません。業務委託は、企業負担がないため全額自己負担であり、40歳以上の人は介護保険への加入も義務付けられています。
- 報酬について
アルバイトでは時間に対して給与が支払われ、労働の質にかかわらず一定の収入が得られます。一方、業務委託では成果物に対して報酬が支払われ、納品に費やした時間は報酬には結びつきません。給与は労働に対して支払われ、報酬は成果物に対して支払われると考えましょう。アルバイトには給与明細書が必要ですが、業務委託では発行の義務はありません。
- 勤務時間について
アルバイトは、労働契約で決められた勤務時間に基づいて業務を進める働き方です。勤務時間が職場ごとに設定されるケースも少なくありません。やむを得ない事情がない限り、契約に従って業務を遂行します。一方、業務委託は、基本的に時間の拘束はありません。納期を守って成果を収めれば、好きなタイミングで働けます。
- どのような働き方であっても、メリット・デメリットがあります。ここでは、アルバイトのメリットとデメリットを紹介します。
- アルバイトのメリット
アルバイトは、労働者として認められるため、労働基準法の保護対象です。残業代はもちろんですが、ケースによっては有給休暇も取得できる可能性があります。また、給与が時給や日給などであるため、収入を予測しやすいこともメリットです。シフト制が多いため、働く時間を選択できるだけでなく、自分の状況に応じて時間帯を調整できます。
- アルバイトのデメリット
アルバイトは、正規雇用と比較して、業務の難易度が低い傾向です。そのため、スキルアップにはつながりにくく、定期昇給なども期待できません。正規雇用と同じ時間勤務しても、正規雇用と同じ給与を得ることも難しいでしょう。収入が安定しないアルバイトも多いため、社会的信用も低く、クレジットカードやローンの審査が通りにくいこともあります。
- 業務委託の場合も、アルバイトと同じようにメリット・デメリットがあります。ここでは、その内容を紹介します。
- 業務委託のメリット
業務委託は、基本的に時間に縛られることがないため、仕事量や勤務時間を自分の都合で調整できます。本業として生計を立てたり、副業として効率よく働いたりすることも可能です。経験値が高い人やスキルが高い人は、短時間で高額な報酬を得られるケースもあります。難易度の高い業務を受けるほど、高収入が望めることも大きなメリットです。
- 業務委託のデメリット
高い経験値やスキルを修得するまでは、単発の仕事が多いため、安定した収入は期待できないでしょう。また、長期契約や継続契約が可能なのか、あいまいな点もデメリットです。労働基準法の保護対象ではないので、有給休暇や残業代などはありません。仕事は自分で管理するため、相手先に迷惑や損害を与えれば、次の業務委託契約を得ることが難しくなります。
- 働き方は多種多様であり、どのような働き方に向いているかはそれぞれです。ここでは、アルバイトや業務委託に向いている人を紹介します。
- アルバイトに向いている人
アルバイトに向いている人は、規則正しい仕事に適していて、決められた労働環境で働くことを好む人です。ある程度の安定を求める人も向いています。決められた時間は労働し、労働時間に応じて給与が支給される働き方がいい人は、アルバイトに向いているでしょう。
- 業務委託に向いている人
業務委託は、自由な時間で働けるため、自分のペースで効率のよい仕事ができる人が向いています。労働時間や労働環境が整っていなくても苦にならず、自己管理で仕事を進めたい人に適した働き方です。高いスキルや取得が難しい資格を有している人は稼ぎやすく、企業から求められる傾向があります。
- アルバイトと業務委託の確定申告は、一定の要件を満たせば必要になります。アルバイトの場合は、通常は年末調整が行われますが、以下の条件に該当する場合は確定申告が必要です。
・2か所以上から給与所得があり、どちらも年末調整をしていない
・2か所以上で年末調整をしてしまった場合
・2か所から給与所得があり、1か所で年末調整をしている
・年末調整をした給与所得以外に、20万円以上の所得が生じる場合
・アルバイトを年末時点で辞めている
なお、複数のアルバイト先があっても、主たる収入がある企業で他のアルバイト先の収入を合わせて年末調整してもらった場合は、確定申告の必要はありません。
一方、業務委託の場合は、原則として確定申告の必要があります。ただし、業務委託以外の所得がなく、その年間所得が48万円以下の場合は、確定申告は不要です。企業に務めており、副業として業務委託している場合で、年間所得が20万円以上あれば確定申告の義務が生じます。
- 近年は働き方が多様化し、正規雇用にこだわらない働き方を選ぶ人が増えています。その影響もあって、アルバイトや業務委託で働く人は増加傾向です。ただし、アルバイトと業務委託では、働き方が大きく異なります。アルバイトは、労働者であり労働基準法によって守られています。一方で、業務委託は会社との雇用関係はありません。社会保険や確定申告なども、大きく異なる点に注意が必要です。
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